〈音声注文〉 コンテンツ次第で爆発か/独自スキル開発が今後の鍵

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スクリーン付きの「エコーショー」に表示された出前館の商品

スクリーン付きの「エコーショー」に表示された出前館の商品

 スマートスピーカーを使った音声注文「ボイスコマース」の活用方法に注目が集まっている。アマゾンの「Amazon Echo(アマゾンエコー)」を使った音声注文は、「スキル(※参照)」を開発すればアマゾン以外のEC事業者でも導入できる。ECの専門家からは、「キラーコンテンツが生まれてスピーカーが一気に普及すれば、音声注文の利用が爆発的に増加する可能性が高い」(ジャパンEコマース協会)と期待する声も上がっている。同協会では「スピーカーが普及する前に独自の効果的なスキルを開発できるかどうかが鍵となる」(同)とも話している。ただ、現時点では、「自社ECサイトにアマゾンのID決済を導入する」など、音声注文を利用するために必要とされる条件は少なくない。


■2回のやり取りで完結

 スマートスピーカーはグーグルやLINEも販売しているが、国内で、音声で商品の注文ができるのは、現在は「アマゾンエコー」のみとなっている。「アマゾンエコー」が日本で発売されたのは、17年11月。アマゾンジャパンでは同商品の国内での出荷台数などについて公開していないが、コンサルティング会社のアクセンチュア(本社アイルランド)によると、国内での「アマゾンエコー」を含めたスマートスピーカー全体の普及率は、18年末までに、インターネット利用者の16%まで高まると試算されている。今後も「アマゾンエコー」の普及は進むとみられる。
 アマゾンジャパンでは、「アマゾンエコー」の国内発売と同時に、同機器を使った音声注文サービスも開始した。音声注文サービスでは、同商品のユーザーが同スピーカーに「○○が欲しい」などと話しかけると、搭載したAI「Amazon Alexa(アマゾンアレクサ)」が返答し注文を受け付ける。最短2回のやり取りで注文を完結できる。
 18年10月からは、アマゾン以外のサイトが「アマゾンエコー」を使って、音声注文を導入できるようにもなった。18年10月には、出前注文サイト「出前館」がスキルを開発。同サイトから音声でピザなどの出前を注文できるようにした。11月には、コンタクトレンズを販売するメガネスーパーが、自社サイトでの商品の購入実績が過去にあれば、「アマゾンエコー」を使ってその商品を再注文できるサービスを開始した。
 メガネスーパーのスキルを開発したecbeing(イーシービーイング、本社東京都)の林雅也社長は、「水やコメなどのリピート商材や、スマホ、PCで注文するのは抵抗があるシニア層の利用率が高まる可能性がある」と話している。


■導入条件が低くなる

 音声注文は今後国内で普及するのだろうか。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月6日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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