〈ファン向けEC〉 特典で客単価が倍増/ファン数に依存しない戦略推進

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エムアップは13種類の缶バッジから、3種類をEC限定の特典として付加。注文数が通常の4倍になっている。

 ミュージシャンやタレントのファン向けにECを展開する事業者が成長している。SKIYAKI(スキヤキ)は独自システムでファンの熱量を計測。そのランクに応じた特典を進呈して、客単価を倍増させた。エムアップは、13種類の缶バッジから3種類をランダムに付けたEC限定商品を発表。注文件数が通常の4倍となっている。エンタメ業界のECはファン数による業績への影響が著しい。各社はファンの購入意欲を高付加価値な特典企画で刺激し、ファンの規模に依存しない成長戦略を取っている。

■特典の質が重要
 クリエーターのファンクラブ(FC)やECのプラットフォームを運営するスキヤキは、独自システム「bitfan(ビットファン)」でFCやEC、SNSの行動履歴からファンの熱量を計測している。より熱量の高いファンに、特別な体験を提供するためだ。
 スキヤキは2月、ミュージシャン「岡崎体育」のFC・ECサイト・SNSを「ビットファン」と連携した。有料FCへの入会や、グッズ購入、SNS投稿といった行動ごとにポイントを付与。
 最もポイントを獲得したファンに対し、音楽ライブでの楽屋訪問を特典として提供したほか、ポイントを限定グッズと交換できる企画も実施した。
 「ビットファン」の導入以前、ECの客単価は約5000円だった。導入2カ月後、客単価は1万円以上に倍増した。「岡崎体育」が「ビットファン」についてSNSで投稿すると、リツイートなど約5万件の反響が寄せられ、情報拡散効果も高かった。
 スキヤキは「インセンティブ(報酬)の質がポイントになる。アーティストの場合は『会える』という特典が定番。メーカーの場合、新商品を先行して提供するといった特典が考えられる。数カ月間待機させられる場合もある、工場見学のような『体験』も魅力的な特典になり得る。今後、ファンマーケティングの重要性は高まると考えている」(宮瀬卓也社長)とファンに向けた価値提供の必要性を強調する。

■注文数が4倍に
 エムアップはアーティスト特有のイベント参加チケットといった特典だけでなく、数種類の特典をランダムに付加する企画を実施している。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月11日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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