女性靴EC/リード国内市場の伸びに期待/低価格、試し履きで購入促進

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ビーンズ「アミアミ」の人気商品7cmヒールパンプス。返送料を全額負担している

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 女性靴EC市場の競争が激しくなりそうだ。免税店を展開するラオックスは2月14日、ロコンドと業務提携契約を締結して婦人靴のネット通販を強化する。ロコンドのECプラットフォームを活用して、同社グループの婦人靴のEC化率を20年までに30%に高める計画だ。女性向けの靴を取り扱うEC事業者はオムニチャネルを推進しているほか、低価格戦略や試し履きサービスなどを展開している。購入時の不安を取り除き、売り上げの増加につなげている例が増えている。

 免税店のラオックスは、流通高1000億円以上と言われている欧米の事業者を例に出し、「欧米の靴市場のEC化率が25~35%なのに対し、国内は10%強とされている。レディースファッションは今やECで買うのが主流。これを踏まえると、靴のEC市場の伸びしろは大きい」(同社)と説明した。
 ラオックスは2月14日に、ロコンドと業務提携を発表。ラオックスと、その子会社で婦人靴などを販売するモード・エ・ジャコモ(本社東京都)、オギツ(同)のグループ3社は今後、ロコンドと組んでネット販路を拡大していく。
 百貨店など実店舗における売り上げに依存する体質からネットとの両立を目指す。現在、同グループにおける婦人靴のEC売り上げ比率は10%未満。20年までに30%に引き上げる計画だ。
 
■PB商品、女性に人気

 靴はこれまでネットで買いにくいとされてきた商品ジャンル。各社は価格を抑え、消費者の不安やリスクを軽減することで売り上げ拡大を図っている。
 ロイヤル(本社愛知県)が運営する、靴などのECサイト「Z―CRAFT(ズィー・クラフト)」では、男性に比べて女性のほうが低価格帯のプライベートブランド(PB)商品を購入する傾向が高いという。
 女性客は主に30~40代。「ブランド志向が強い男性と比較すると、女性のPB商品の購入数が増えている」(直営本部インターネット通販・河合基博氏)と話す。
 同店舗のPB商品の価格帯は2000円から3000円。2年ほど前からPBの一部商品を対象に、試着送料無料の取り組みを実施している。それらの取り組みが評価され、今年1月末に発表された楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017では、靴ジャンル大賞を受賞した。「今年は、男性向け女性向けを問わずPB商品の開発を強化するほか、ブランディングにも力を注いでいく」(同)と話す。
 ビーンズ(本社香川県)が運営する、婦人靴と雑貨のECサイト「AmiAmi(アミアミ)」も、「プチプラ(プチ・プライス、お手頃価格)戦略」が奏功している。
 PB商品のうち、定番商品7割程度をプチプラに設定。サンダルとパンプスが2990円以下、ミュールが2790円以下、ブーツが3500円以下の価格設定とし、全品の送料が無料。「一足からでも買いやすく、お客さまの不安を軽減できたのでは」(EC事業部)と見ている。
(続きは、「日本ネット経済新聞」2月22日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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