楽天17年7―9月期/流通総額13.7%増/経済圏広がり、国内EC拡大

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三木谷浩史社長は「楽天は会員ビジネス」と語る

三木谷浩史社長は「楽天は会員ビジネス」と語る

 楽天の17年7―9月期(純第3四半期)における国内ECの流通総額は、前年同期比13.7%増の8559億円となった。楽天市場における楽天カードでの決済比率は、17年9月度に前年同月比5.3ポイント増の54.3%にまで伸長。ポイント施策も好調に推移し、楽天経済圏の広がりが、国内EC事業の拡大に寄与している。
 注文件数は前年同期比8.3%増、月平均のユニーク購入者数は同5.3%増と伸長している。楽天カードの会員数も伸び続けているが、カード会員の楽天市場の利用者数も伸びている。楽天カード保有後に楽天市場での購入金額が、保有前より112%増と拡大しているデータもある。
 楽天カードやスマホアプリの使用などでポイント付与率が最大8倍になる「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」も好調だ。カード利用率を押し上げるとともに、スマホ利用率拡大にも寄与している。楽天市場の流通総額におけるモバイル比率は同4.4ポイント増の64.2%になる。
 日用品のECサイトを運営するRakuten Direct(楽天ダイレクト)の売上高は、同20.1%の193億円となった。「競合である『ロハコ』の売上高の約2.3倍の規模に成長している」(三木谷浩史社長)と話す。
 フリマアプリ「フリル」の17年9月度の流通総額は、前年同月比5.9倍になった。「『フリル』と『ラクマ』を合わせると年換算の流通総額は1000億円を超える規模になった。次は2000億円規模を目指したい」(同)と話す。
 三木谷社長が「楽天はECモールのイメージが強いが、もはや会員ビジネス」と言う通り、会員基盤を核にショッピングや金融、サービスなどを多角的に展開し、好循環を生んでいる。
 広告事業や投資事業にも注力しており、各分野でのビッグデータを集積し、会員ビジネスの拡大に生かす考えだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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