シャープが食材ECに参入/タイヘイ、ぐるなびと商品開発

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シャープ長谷川祥典専務執行役員(写真中央)、ぐるなび久保征征一郎社長(同右)、タイヘイ太田健治郎社長(同左)

シャープ長谷川祥典専務執行役員(写真中央)、ぐるなび久保征征一郎社長(同右)、タイヘイ太田健治郎社長(同左)

 シャープは10月19日、調理家電専用の料理キットのEC事業に参入する。インターネットと接続した調理家電「ヘルシオシリーズ」を活用。冷蔵で届く料理キットは、ぐるなびに加盟する有名店などが監修するメニューをタイヘイ(本社千葉県)と共同で開発する。シャープでは、今後もIoT家電を増やし、調理家電の付加価値を高めていく考えだ。初年度は数十億円規模の売り上げを見込み、20年までに200億円の達成を目指す。
 9月26日にシャープ東京本社で開催した記者会見で明らかにした。
 食材ECサービス「ヘルシオデリ」は、シャープの対象調理家電を持つユーザーが、ネットや電話で商品を注文し、冷蔵で食材キットを届ける。レシピを同梱し、調理家電のボタンを押すだけで自動調理ができる「まかせて調理」や指定メニュー番号をセットするだけで温度設定や焼き時間などの管理が必要ないのが大きな特徴だ。
 調理家電を無線LANでインターネットにつなげれば、商品の配送状況を音声で伝えるほか、商品のメニューが本体にダウンロードされる。
 食材キットのコンセプトは「週末に優雅な食卓」。デパ地下の総菜を好む30代前半やシニア世代を大きなターゲットにする。シニア層のユーザーの利用も見込み、ネット以外に電話でも注文できるようにした。前週に注文した商品が、週末に届くサイクルとする。
 ぐるなび加盟店舗がレシピを監修する。監修したレシピをもとにタイヘイが、食材キットの仕入れや製造、加工を担う。
 まずは、ぐるなびに加盟する有名店の14商品を発売、地方料理店のメニュー開発も進める。
 週末利用を想定し、価格は1メニュー(2~3人前)当たり3800円(送料込み)に設定した。「他社のサービスや、電車を使って行く外食と比較対照しながら価格を設定した」(IoT通信事業本部・IoTクラウド事業部・サービスマーケティング部・松本融氏)と話す。
 タイヘイの太田健治郎社長は「法人向けの実績もあり、自信をもって提供していく。これまでは当社単独でビジネスを展開してきたが、シャープやぐるなびなどそれぞれの強みを生かして、より良い商品、サービス作りをしていきたい」と意気込みを話した。

インターネットと接続した調理家電「ヘルシオシリーズ」を活用する

インターネットと接続した調理家電「ヘルシオシリーズ」を活用する

「ヘルシオデリ」パートナーシップ

「ヘルシオデリ」パートナーシップ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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