専門EC事業者/"中の人"の発信力で売上拡大/<バスリエ>前年同月比27%増<NFL>10年間で売上7倍

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阪急うめだ本店の企画ではバスリエの松永社長が登壇

阪急うめだ本店の企画ではバスリエの松永社長が登壇

 ネットショップの〝中の人〟が積極的に情報を発信することで、サービスの認知度や外部企業とのつながりが拡大し、売り上げが伸びる事例が出ている。バスグッズECを手掛けるバスリエ(本社千葉県)の松永武社長は、風呂の専門家としてメディアに引っ張りだこだ。ロフトや伊勢丹などの依頼で実施したリアルでの販売企画は盛況となり、ネットショップの認知度も向上。17年8月の月商は、前年同月比27.0%増となった。フォーマルウエアECのNFL(本社大阪府、川辺友之社長)で販売営業部マネージャーを務める酒匂雄二氏は、〝SNSの達人〟として知られている。SNSで「好き」を発信し続けることで、大ファンである人気声優とつながり、タキシードを進呈。徐々に有名人御用達のブランドとして知られるようになった。SNSで情報発信を始めた07年頃の年商と比べると現在は6~7倍に成長している。

 SNSが広がる中、マスメディアも発信力のある個人に注目している。特に専門性の高いネットショップは、運営者である〝中の人〟が積極的に前面に出ることで、サービスの認知を広げることができる。
 バスグッズのECサイト「お風呂のソムリエShop!」を運営するバスリエの松永社長は、ここ数年で5回以上テレビに出演している。ラジオも含めると数えきれないという。全国放送の「ニノさん」や「マツコの知らない世界」などにも出演し、大きな反響があったという。
 雑誌では男性ファッション誌の「MEN’S NON―NO(メンズノンノ)」や女性向け生活情報誌「婦人画報」などに毎月のように掲載されている。
 「メディアではお風呂の魅力を伝えたり、バスグッズを紹介したりしている。自社の宣伝をするわけではないので、直接的にECサイトの集客が著しく伸びるわけではない。ただ、企業からのコラボ企画を打診していただくきっかけにはなっている」(松永社長)と話す。

■日ごろの活動が説得力に

 バスリエは今年2月、外部企業と物販において協業する事業「+BATHLIER(プラスバスリエ)」を立ち上げた。伊勢丹や阪急百貨店など大手百貨店から依頼を受け、リアル店舗での販売企画を実現した。
 プラスバスリエでは協業先の店舗でバスリエの社員が商品を販売するのではなく、協業先の社員に商品を販売してもらっている。
 「協業先の企業から『人を出してほしい』と言われることもあるが、こちらのスタンスを伝え、理解していただいている。ロフトさまは取引実績がないところからご理解いただき、全国の販売スタッフを集めて、説明会もさせてもらった」(同)と話す。
 「お風呂の良さを伝播させたい」という松永社長の思いに、協業企業も感銘してくれたという。
 松永社長は「お風呂文化」を日本の無形資産として世界に発信する「HOT JAPAN(ホットジャパン)プロジェクト」を立ち上げ、代表理事も務めている。こうした取り組みが人の輪を広げるとともに、情報発信にも説得力を持たせているようだ。

■コネなしで有名人に採用

 NFLはタキシードや礼服などフォーマルウエアのECサイト「NOVIA+NOVIO(ノービア・ノービオ)」を運営している。人気声優の山寺宏一さんや大物俳優にも衣装を提供したり、読売日本交響楽団の公式衣装サプライヤーとして認定された。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月21日号で)

NFLの酒匂マネージャーはセミナー依頼も多い

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ECサイトでは衣装提供の実績を紹介

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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