楽天第1四半期/国内EC流通額は7775億円/注文件数、購入者数が安定推移

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 楽天の17年1―3月期(第1四半期)における国内EC流通総額(トラベル、ブックス、ケンコーコム、爽快ドラッグなどを含む)は、前年同期比13.0%増の7775億円だった。楽天市場の個別の流通総額は非公表だが、三木谷浩史社長は「(年間)2兆円近い流通があり、1店舗あたりの売り上げは拡大している」と話した。楽天市場の注文件数は同11.5%増、同期間中の月平均のユニーク購入者数は同9.2%増となり、安定的に増加推移している。
 楽天は昨年1月からスマホアプリや楽天カード、楽天モバイルを利用すると、楽天市場で付与されるポイントが常時最大7倍になる「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」を導入。これにより楽天市場のモバイル流通額の比率は同5.2ポイント増の62.8%に達し、3月の楽天カードの決済比率は前年同月比5.2ポイント増の51.6%となった。
 国内ECは(1)楽天市場のユニーク購入者の育成(2)ジャンルおよび直販ビジネス戦略(3)モバイルCtoCへの投資(4)日本郵便(JP)との提携ーーーを拡大に向けた戦略として掲げている。
 日用品のジャンルおよび直販ビジネス戦略の一環として、7月1日付で完全子会社の爽快ドラッグとケンコーコムを合併する予定だ。2社を合わせると、17年1―3月期の売上高はアスクルの日用品サイト「LOHACO(ロハコ)」の約1.7倍になるとしている。
 CtoCビジネスは、フリマアプリ「ラクマ」に加え、16年9月にファブリック(本社東京都)を完全子会社化し、「フリル」もグループサービスとなった。
 「ラクマ」と「フリル」は出品手数料を無料とするなど先行投資を実施。「ラクマ」の第1四半期における流通総額は前年同期比2.6倍、「フリル」は買収時の16年9月に比べ、17年3月の流通総額は3.1倍に拡大した。
 楽天は4月、再配達の削減に向けJPと連携範囲を広げると発表した。この取り組みの一環として、楽天市場の出店者向けに特別価格の配送料の提案を4月末から開始。夏からの運用開始を目指している。
 出店者が個別にJPと契約していたものを、楽天がまとめてJPと契約することで大口取引となり、小規模の出店者などは以前よりも配送料が抑えられることが期待される。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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