コールセンターのAI活用/チャット接客でCS向上/大手クライアント中心に導入進む

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 コールセンター事業大手が、AI(人工知能)を活用したチャット接客サービスの提供を強めている。ベルシステム24ホールディングスは今年1月、クライアント企業が問い合わせ対応などに活用できるAI搭載型ソリューションの提供を開始。16年11月にAI技術を活用したウェブ接客サービスの空色(本社東京都、中嶋洋巳社長)と資本提携を結ぶなどこの分野の事業拡大を進めている。KDDIエボルバ、トランスコスモス、りらいあコミュニケーションズといった業界大手もAIを搭載したチャット接客サービスなどを強化している。ただ、現状は高い価格や応対精度がネックとなり、クライアント側は当面の導入に消極的だ。

【空色と資本提携 】

 ベルシステム24ホールディングス(以下ベル24)は今後の事業戦略の柱の一つにAI活用を掲げている。16年10月に親会社の伊藤忠商事などと共同で出資し、資本業務提携した空色は対話型のチャットシステムを利用したウェブ接客サービス「OK SKY」を提供している。アパレル業界のEC事業者が主な顧客だ。ベル24はセンター内に同サービスを導入し、社内に蓄積された業種ごとのオペレーションスキルや人材育成のノウハウと融合させることで幅広い業界でのサービスの活用を進める考えだ。
 「『OK SKY』を利用したECサイトでは購入率が平均5倍以上というデータも出ている」(広報IR室)といった事例を訴求していき、既存のクライアントを中心に導入を促していく。同サービスで、今後3年で100億円の売り上げを目指すとしている。
 りらいあコミュニケーションズはAIを活用した自動応答システム「バーチャルエージェント」の拡販を進めている。
 14年にアスクルが導入した。「バーチャルエージェント」をもとに、日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」向け仕様として自動応答システム「マナミさん」を開発した。昨年から、スマホ・タブレット向けにもサービスを導入しており、「ロハコ」の問い合わせ件数の約4割を「マナミさん」が対応しているという。 
 初期費用は内容により変動するが300万~500万円としている。月額費は約50万円。

(続きは「日本ネット経済新聞」2月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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