靴のEC/新規獲得にリアル活用/EC強化、オムニなど顧客接点強化へ

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 靴のEC事業者が新規顧客の獲得に向けた施策を活発化させている。靴と衣料品のネット通販を手掛けるロコンド(本社東京都、田中裕輔社長)は今年8月末から、百貨店で専用の売り場を設けることで既存顧客とは異なる客層へのリーチを進めている。ヒラキは、テレビCMの開始やリアル店舗に簡易版カタログを設置してECの売り上げを伸ばしている。実店舗を主軸とするABCマートや、「ASBee」を展開するジーフットは、リアルとネットの相互利用を促す仕組みを構築している。


 ロコンドは販売チャネルの拡大を進めている。その一環として今年8月末、そごう・西武の3店舗(西武船橋、西武大津、そごう徳島)の店内に専用売り場を設け、商品を展示・販売するサービス「ロコチョクディー」を開始。12月13日には、そごう大宮にも導入した。
 目当ての商品が店内にない場合は、閲覧専用のタブレットを使い、ロコンドの在庫から商品を百貨店に取り寄せる。百貨店側は再来店が見込めるメリットがある。顧客は百貨店に取り寄せた商品を店内で試着でき、気に入れば購入する仕組み。百貨店の販売員が対応し、決済は店舗で行うため、売り上げは百貨店が計上する。ロコンドは、手数料と月額費用を百貨店から受け取る。
 同サービスにより百貨店はロコンドが取り扱う1000ブランド、4万3000品目のほぼすべてを販売することができる。
 ECサイト「ロコンド」の主な顧客層は30~40代の女性。試着や交換、返品が全て無料でできるため、「他社モールと比べて高価格帯の商品が売れる」(ロコンド・田中社長)と言い、今年上半期の平均単価は7054円。同社と百貨店の顧客層がある程度マッチしており、「各店で『ロコチョクディー』の利用数は順調に伸びている」(コンシェルジュ部門)と言う。
 同社の16年2月期の売り上げは100億円超。田中社長は「17年8月末までにサービスの提供店舗を50店舗まで拡大し、このサービスで年商12億円到達を目指す。中期的には100店舗に拡大し、年商100億円が目標」(田中社長)としている。
(続きは、「日本ネット経済新聞」12月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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