ヤフー/コマース21を買収/独自ドメインEC市場に参入

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 ヤフーは7月13日、ECサイト構築パッケージ大手のコマース21(C21、本社東京都、玉井邦昌社長)を完全子会社化した。ヤフーは独自ドメインEC市場に参入するのが狙い。ヤフーの広告サービスなどをC21のパッケージと連携することも検討している。
 ヤフーはEC市場が拡大する中、ECモール「ヤフーショッピング」以外にも多角的にEC支援事業を進めたいと考えていた。今回のM&Aは、「ECモール事業では獲得できない独自ドメインECの流通に関与する狙いがある」(ヤフー・広報室)と話す。
 ヤフーは15年夏から、C21と買収に向けた交渉を開始。6月7日に資本提携契約を締結し、7月13日にはC21の全株式の取得が完了した。ヤフーからは社員2人がC21に出向しており、6月20日の株主総会にてC21の取締役に就任した。C21の代表取締役は交代しない予定だという。
 ヤフーは今後、C21の顧客企業向けに、メーンのビジネス領域である広告や決済、会員などとの連携サービスを提供できるか検討する。具体的な内容や時期は未定。


■モールとの連携も検討

 C21としてもメディアとして強力なユーザー基盤を抱えるヤフーの傘下に入ることにより、クライアントの支援体制をより強化できると考えている。
 「ヤフーショッピングなどモール事業との連携も含めて、当社のクライアント向けに多角的なサービス開発を進められると考えている」(C21・広報担当)と話す。
 C21の顧客企業のECサイトの在庫データをヤフーショッピングに連携させるかについては、「シナジーの可能性があるものについては積極的に検討したい」(同)と話す。
 顧客企業のECサイトに「ヤフーウォレット」などの決済を導入するかについても「顧客企業の要望も聞きながら検討する」(同)と言う。ヤフーIDでのログイン機能やTポイントの導入についても検討する予定だ。
 C21はこれまで、大手企業を中心に300社以上のECサイト構築を支援している。顧客企業の年間の流通総額は約3200億円だという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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