シャツ専門店/オーダーメードの導入進む/EC顧客囲い込み業績拡大

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写真2枚を送るだけで自動採寸し、体型にあったシャツに仕上げる

写真2枚を送るだけで自動採寸し、体型にあったシャツに仕上げる

 シャツ専門店がEC顧客の獲得に向け、オーダーメード、ショールームなどを導入している。山喜、フレックスジャパン(本社長野県、矢島隆生社長)、インスプラウト(本社東京都、三根一仁社長)は、オーダーメードサービスの売り上げが伸長。ワイシャツ専門のECサイト「ozie(オジエ)」を運営している柳田織物(本社東京都、柳田敏正社長)は14年6月に開設したオフィス併設型のショールームを活用してECの売り上げ拡大につなげている。


自動計測、カスタマイズ
 フレックスジャパンの16年2月期のEC売り上げは、前期比12・4%増の1億5000万円だった。卸売りが主力となるが、11年からEC事業を強化している。同年、パターンオーダーの専門ECサイト「SKYRTA(スキルタ)」を開設。総合ECサイト「プラトウ」に加え、「スキルタ」の利用客が拡大している。「EC参入は比較的後発だが、後発ならではのサービスを実施している」(FS事業部)と言う。
 今年4月末、ECサイト「プラトウ」で、自動採寸サービスを開始した。スマホやデジカメで撮影した写真2枚(正面、側面)を送ると、自動計測で顧客の体型に合ったシャツを注文できる。「スリム」「ゆったり」など寸法の要望も受け付ける。
 14年から運営しているECサイト「軽井沢シャツ・オンラインショップ」では今年6月から自社開発システム「シャツ・ビルダー」を導入し、顧客が好みのシャツをカスタマイズできるサービスを開始している。ネット上で色、柄、デザインが選べ、その場でシャツの3D風画像に反映する。年内には、自動採寸サービスも導入する予定だ。
 現在、長野県内に4つの実店舗を持っているが、「実店舗が長野県内に限定されるため、相互利用は難しい」(同)と話す。まずはオーダーメードサービスを拡充することでEC顧客を獲得する考えだ。


■生地・デザイン10億通り

 インスプラウトは14年4月、ワイシャツのデザインをオーダーメードできるECサイト「Original Stitch(オリジナルスティッチ)」を開設した。16年1月に国内の利用者数は5万人を超えた。
 同サイトでは生地を200種類以上から選べるほかに、袖や襟、ボタン、ポケット、プリーツなどのデザインを選択できる。生地やデザインのパターンは10億通りを超える。
 フレックスジャパンと提携しており、ECサイトの注文データを同社の工場に直接送り、製造後は工場から購入者に直送する仕組みを構築した。中間コストを省くことにより、一般的なオーダーメードシャツより3~4割ほど割安な8500~1万2000円で販売している。


(続きは、「日本ネット経済新聞」6月30日まで)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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