アマゾン/出品者への注文が約半数に/セラーカンファレンスに500人参集

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開会のあいさつに登壇したジャスパー・チャン社長

開会のあいさつに登壇したジャスパー・チャン社長

 アマゾンジャパンは5月27日、アマゾンに出品している販売事業者向けのイベント「セラーカンファレンス」を開催し、500人超の販売事業者が参集した。アマゾンが強化している出品者支援や、米国アマゾンの最新の取り組みなどを紹介した。15年度に全世界のアマゾンの注文数ベースで、販売事業者の占める割合が半数近くまで拡大。販売事業者の品ぞろえは8年間で約7・5倍に増加していることを発表した。
 開会のあいさつでジャスパー・チャン社長は「顧客満足度向上のために、品ぞろえ、価格、利便性を追求する」と話した。
 販売事業者向けの支援施策として、アマゾンの物流代行サービス「フルフィルメント・バイ・Amazon(FBA)」の充実を進めている。直近では賞味期限制限を60日から30日に短縮、香水・除光液など「危険物」に分類される商品や大型サイズの商品の取り扱い拡大を行った。現在、予約販売やワインの定温倉庫が試験運用中としている。
 FBAを利用する商品は「当日お急ぎ便」「お急ぎ便」「日時指定便」の対象となる。今年2月に実施したFBAを利用する販売事業者向けの調査では、FBAを利用する前に比べてアマゾンでの売り上げが3倍以上になった事業者が約15%、2倍以上になった事業者が約50%だった。
 販売事業者の利便性と売り上げへの貢献から、FBAを利用する販売事業者数は5年間で1・5倍に増加している。
 現在、国内におけるアマゾンの当日配送の人口カバー率は84%、翌日配送で96・7%となっている。関東と関西エリアでは当日配送の人口カバー率は100%になっているという。
 昨年、プライム会員向けに開始した注文から1時間以内に配送するサービス「プライムナウ」の利便性も訴求するため、星健一セラーサービス事業本部長のプレゼンテーション中に注文から商品到着までの実演も行った。
 アマゾンは昨年から、プライム会員向けのサービス拡大に力を入れている。プライム会員向けの「プライムナウ」や、日用品を必要なだけ箱に詰めて一度に配送できる「Amazonパントリー」のほか、映画・音楽配信の「プライムビデオ」「プライムミュージック」なども開始した。
 その結果、14年から15年にかけて会員数は51%増となった。プライム会員は「当日お急ぎ便」「お急ぎ便」「日時指定便」が無料で利用できることから「販売事業者にはFBAの利用の重要性が増している」(星セラーサービス事業本部長)と話した。
 販売事業者の海外進出も盛んになっており、特に日本から米国アマゾンへの出品者数も年々拡大しているという。米国に出品すれば西欧地域への出品がしやすい仕組みとなっており、海外へ積極展開するよう販売事業者に訴えた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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