楽天ドローン配送「そら楽」/ゴルフ場で開始/過疎地への配送も視野に

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 楽天は4月25日、ドローンを活用した一般消費者向け配送サービス「そら楽」を開始すると発表した。第1弾としてゴルフ場でコースを回るプレーヤーが専用のアンドロイドアプリを用いて飲料などを注文し、コース内の受取所に商品を届けるサービスを、5月9日から千葉県の「キャメルゴルフリゾート」で開始。約1カ月間の試験運用で利用状況や利用者の声を分析し、今後の展開を検討する。
 「楽天市場」の商品配送でドローンを活用することについてはコメントしていないが、三木谷浩史社長は「過疎地への配送や災害時の救援物資の運搬など必要なところで活用したい」と話した。
 4月25日の発表会の中で、三木谷社長は「ドローンの商用活用は初めてではないか」と話した。ゴルフ場を最初の利用場所に選んだ理由として、人口が密集していないことと、楽天のゴルフ場予約サイト「GORA(ゴラ)」は全国約3000カ所のゴルフ場と提携している点を挙げた。
 サービス開始時は飲料、ゴルフボールなど約100商品を取り扱う予定で、クラブハウスの作りたてのハンバーガーなども届けられる。商品が持ち歩ける布バッグも同梱する。
 注文するためには楽天IDのログインが必要。決済方法はクレジットカードか楽天スーパーポイントが利用できる。
 安全面を考慮し、「そら楽」の利用は風速8メートルまでとする。当日の風速によるが、最大積載量は2キログラムで、アプリで商品を選択すると総重量が分かる仕組み。発送するとプッシュ通知が届く。
 ゴルフ場にはいくつかのマークを設置。楽天が開発した画像認識技術をドローンに搭載しており、ドローンはマークの上に着地し、荷物を置いて元の離陸地点に戻っていく。こうした動きや、できるだけ人の少ない場所の上を通る航路は全てシステムで制御している。
 ドローンの開発は3月に楽天と東京大学エッジキャピタル(本社東京都)が7億2000万円を出資した、自律制御システム研究所(本社千葉県、野波健蔵社長)が手掛けた。

(続きは「日本ネット経済新聞」4月28日・5月5日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ