アパレルECを手掛ける企業が、クリスマス商戦に向けた準備を本格化しつつある。例年同様、クリスマスシーズンを対象とした特集ページの開設や限定商品を展開するほか、クラウドナインのように通年で売れ筋となっている商品をクリスマス向けに提案する企業もみられる。ベリグリはECサイト上に、顧客が欲しい商品を選んで支払いは第三者に依頼できる「おねだり機能」を用意。カップルによるクリスマスギフトの需要を捉えようとしている。スポーティフはクリスマス商戦を見送り、12月末にECと店舗でセールを展開する。セールによって在庫処分を優先し、2月から展開する新作アイテムの販売に備えるためだ。
売れ筋を集める
ECサイトの運営代行や中古ブランド品の買い取り・受託販売を行うレトロは12月上旬、クリスマスギフトを意識したお薦めアイテムの特集ページを設置する。特集ページにはアクセサリーや財布、時計、バッグなど50~100アイテムをそろえる予定。売れ筋となっている「シャネル」「ルイヴィトン」といったブランド商品を中心に掲載する。
レトロはECサイトに掲載している商品を、事前に顧客に確認してもらってから販売するサービスも展開している。顧客は都内にある同社の事務所で商品を確認できる。事務所では「プレゼント用に購入するお客さまから相談を受けることもある」(セールス兼バイヤー・高橋覚氏)と言う。
韓国ファッションによるECサイトの運営代行を手掛けるクラウドナインも11月下旬、クリスマスをテーマにした特集ページを設置する。パーティードレスやワンピースを中心に、100~200アイテムを掲載する。
年間を通じてワンピースが売れ筋となっているが、毎年12月はワンピースの注文が最も多い時期。需要に合わせて特集ページでは「パーティーやイルミネーションを背景にした商品写真をそろえる」(川村匡慶取締役)と方針を語る。
ギフト需要狙う
ランジェリーを製造・販売するベリグリは12年12月に、ECサイトに掲載している商品の代理購入を依頼するサービス「おねだり機能」を導入した。クリスマスギフトの需要を狙う措置からだ。「おねだり機能」導入後は、午後10時30分から午前1時30分の時間帯で成約率が50%を超えた。
べリグリのECサイトでは、午後9時から午前零時の時間帯における注文件数が最も多い。「『おねだり機能』を導入する前と比べてCVRが高くなった。代理で購入する際に自分用のプレゼントも合わせて購入するケースもみられる」(Eコマース部)と話す。
「おねだり機能」はユーザーが欲しい商品をツイッターやフェイスブックなどのSNS上に投稿して共有。このほか、特定のユーザーにメールを送信して知らせるという二つの方法から選択して代理購入を依頼する。
「対象となった商品は、おねだりを依頼するメールを送る段階で確保しており、商品をすぐに発送できる仕組みにしている」(同)と言う。
(続きは日本ネット経済新聞 11月19日号で)
〈アパレルECのXマス商戦〉 売れ筋商品提案、「おねだり機能」も/特集ページの開設、限定商品を展開
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。