【千原弁護士の法律Q&A】▼179▲ 改正景表法の注意すべきポイントは?

千原弁護士

〈質問〉

 当社は、健康食品、化粧品を、ネット販売を中心に行っています。今度、景品等表示法が改正されましたが、当社が、注意すべきポイントを教えていただければと思います。(ネット通販会社社長)

〈回答〉 罰金制裁も コンプライアンス体制の整備を

 「課徴金制度」を盛り込んだ景表法改正案が、国会を通り、早ければ2016年春から施行されることになりました。以下に、今年になされた2度の景表法改正のポイントをお知らせします。
 まず、なんと言っても、これまで事実上は社名公表だけだった問題表示への制裁が、今後は、過去3年の売り上げの「3%」の課徴金という形で科されることです。売上5000万円からが対象になりますが、5億円であれば1500万円になるわけですから、「主力商品」「ヒット商品」ほど、広告宣伝のコンプライアンスに気をつけなければなりません。
 今年12月1日に施行された改正景表法では、都道府県も景表法に基づく措置命令権限を持つことになりました。処分の対象になるのはこれまで、比較的大きな会社が多かったですが、これからは、地方を含めた中小業者にも、よりきめ細かく処分が行われるようになると予想されます。
 特に、これまでも消費者行政に熱心な、東京、神奈川、埼玉周辺などの地域の業者さんは、気を付けるべきことになります。
 さらに、2014年9月に、福岡のダイエットサプリの通販業者に対して、ネットの広告について景表法処分がなされました。「食べたこと、なかったコトに!?」「これらの自然植物が、糖分・脂質・炭水化物のカロリーをサポート。」のように、?マークや「サポート」などを使った、いわゆる「グレー表現」をNGとしました。
 この程度の広告は、世の中にたくさんあるだけに、業界に大きな衝撃を与えました。貴社も、これまでグレー表現による広告をされていたとすれば、注意が必要です。
 こう考えると、貴社として求められるのは、(1)製品についての広告のコンプライアンスを、会社の体制・システムとして考えること(2)現在の主力商品の広告表現も、再度、見直すこと─だと思います。
 2014年11月14日に、景表法の改正に関連してガイドラインが発表されましたが、この中では、会社の規模ごとに、表示についてのコンプライアンス体制を作るべきことが求められています。この中で「事業者が講ずべき表示等の管理上の措置の具体的事例」として、朝礼などでの社内周知、社内ネットの利用など、とても具体的にコンプライアンス体制を作る例が出ています。
 ほかの部分は難しいですが、ここは参考になると思います。ぜひ、ネットで検索して、表示についての社内体制をつくる助けにしてください。


〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手がけてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「こんなにおもしろい弁護士の仕事」Part1~2(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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