【ニュースの深層】□□60〈自治体と通販関連企業の連携進む〉 地元通販企業には間接的な恩恵

地方自治体と通販事業を展開する民間企業による包括連携協定が今年1月、相次いで締結された。愛媛県はセブン―イレブン・ジャパン(以下、セブン)と、「県産品のネット通販」などについて協力することなどを盛り込んだ包括連携協定を締結。福岡市はヤフーとの間で、同社のECサービスを活用した「デジタル人材育成」などを盛り込んだ包括連携協定を締結した。自治体と通販関連企業の連携は、地元の通販企業にとっては間接的に恩恵をもたらしそうだ。

愛媛ブランド向上に寄与

 愛媛県は1月14日、セブンと、県産品のネット通販について協力することなどを盛り込んだ包括連携協定を締結した。県産食材を使った商品開発などについても協力するという。
 協定の連携事項には、「県産品の販路拡大・販売促進に関すること」が盛り込まれている。県産食材を用いて開発した商品をセブンの実店舗で販売したり、県産品や県の伝統工芸品を同社のECサイトで取り扱ったりする予定だ。セブンが取り扱うギフトカタログへの県産品の掲載についても協議するという。
 セブンが県と共同で新たに開発した商品は、基本的にセブンが展開している実店舗やECサイト、カタログなどのチャネルで販売するため、地元の通販事業者が入り込む余地はない。ただ、多数の顧客を抱えるセブンが県産品や伝統工芸品を売りだすことにより、愛媛ブランドの認知度が拡大する可能性はある。
 地元の通販企業にとっても、愛媛ブランドの認知度が高まれば、間接的にメリットを享受できる可能性はある。


デジタル人材を育成

 福岡市は1月18日、ヤフーと「スタートアップ支援」や「デジタル人材の育成」などを盛り込んだ包括連携協定を締結した。
 協定に盛り込まれた「スタートアップ支援」では、市が運営する起業家のための相談・交流スポット「スタートアップカフェ」の取り組みをヤフーが支援するという。ヤフー内にいる起業経験のある執行役員などが同スポットで講演を実施したり、ヤフー子会社のベンチャーキャピタルが起業支援を行ったりする予定だ。
 さらに、同スポットに会員登録している法人には、市とヤフーがネット広告費を一部補助するといった支援も行う。こうした取り組みから新たな通販企業が育っていく可能性もある。
 「デジタル人材育成」については、ヤフーのECサービスを活用するという。社会進出を図りたい女性などに対して、オークションサイト「ヤフオク!」を活用したハンドメード品や中古品の販売方法を教えることにより、ITスキルの向上を図る。ECサービスに慣れ親しんだ人材が増えることは、市内の通販企業にとっても人材採用の面において有益だといえる。

続きは「日本流通産業新聞」2月4日号で)

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