【千原弁護士の法律Q&A】▼201▲ クレーマーへの対応に苦慮しているが。

千葉弁護士

〈質問〉

 当社ではこれまで、健康食品や化粧品などの通信販売事業をメーンに展開してきました。昨年からはサロンをオープンして、対面販売も始めました。サロンの売り上げは好調なのですが、困ったお客さま(Aさま)も出てきています。Aさまは、サロンの従業員への対応が非常に高圧的で、商品やサービスにクレームを付けることも多く、商品の交換などの要求も、頻繁にあります。また、一度来店されると、なかなか帰ってくれず、担当者が半日拘束されてしまうことも珍しくありません。このため、当店では、やむなく出入り禁止をお伝えしましたが、今度は、これに激怒されて、何度も電話をされたり、勝手に来店して怒鳴られたりします。出入り禁止を通告するのは、お店の自由だと思いますが、いかがでしょうか。また、こういう人への対応を教えていただければと思います。(健康食品・化粧品販売会社)

〈回答〉 まずは証拠が残る形で出入り禁止を伝える

 ご理解のとおり、人種差別などにならない限り、小売店でも飲食店でも、お客さまに出入り禁止を通告するのは自由です。対応については、以下のポイントをご参考になさってください。しかし、どの業界でもクレーマーに困っているようですね。
 (1)まず、証拠が残る形の文書(できれば内容証明郵便)にて、出入り禁止をお伝えするのが良いと思います。
 相談できる弁護士がいれば、弁護士に代理人になって送付してもらうと良いでしょう。なお、Aの住所、氏名が分かることが必須です。
 (2)はっきり出入り禁止をお伝えしたお客さまが、守っていただけず来店するのは、刑法上の住居侵入罪や営業妨害罪に該当する可能性があります。
 Aのようなお客さまには、(1)のように文書で来店禁止を通告し、それでも来店するようであれば、ためらわずに警察の出動を要請すべきです。管理ビルや貴社が契約されている警備会社があれば、そちらに連絡をしても良いと思います。警察と警備会社のダブルで排除してもらうのが有効です。
 (3)また、出入り禁止をお願いした後に、さらにクレームの電話などをかけてくるケースも多いと思います。
 それを想定して、貴社の従業員全員に「Aから電話が来たら、一切お答えできません、としてガチャ切りをしてください」と事前に指導を徹底する必要があります。
 指導を徹底しないと、日頃、そういうことに慣れない従業員が結局、Aからのクレーム電話にさらされてしまうことになります。私の経験では、何度かガチャ切りを繰り返すと、諦めます。

続きは「日本流通産業新聞」11月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

千原弁護士の法律Q&A 連載記事
List

Page Topへ