【千原弁護士の法律Q&A】▼187▲ 景表法改正のポイントとリスクは?

〈質問〉

 当社は健康食品の販売をしています。このところ、新聞や消費者庁のホームページを見ると、景表法の措置命令がどんどん出ています。景表法が改正になり、課徴金が導入になることは、日本流通産業新聞でも、たびたび報道されていますよね。これらは何か関連があるのでしょうか。景表法改正のポイントやリスクについて教えてください。また、すぐにやるべき対策などがあれば教えていただきたいと思います。(健康食品販売会社社長)

〈回答〉 ガイドライン参考に社内体制整備を

 今年の1月くらいから、立て続けに、景表法に基づく措置命令が、虫よけ剤、ミネラルウォーター、窓ガラスフィルム、サプリメント(ラジオCM)、中古自動車、温泉など、本当にいろいろな分野に出されています。
 消費者庁としても、改正した景表法をしっかり守り、注目してもらいたいので、これらは明らかに改正との関連性はあると思います。
 また、貴社の扱われている健康食品については、機能性表示が解禁になる反面、「ダメなものはダメ」といったかたちで、取り締まりが前よりも強化されると考えられます。
 改正の大きなポイントは、(以前にも書きましたが)違反に対する罰則に「課徴金」が導入されたことにあります。従来は、「措置命令」という名の社名公表しか、実質的な罰則がありませんでした。課徴金の適用はまだ始まっていませんが、遅くとも2015年5月末までには、スタートすることになっています。
 「3年以内での5000万円以上の売り上げ」が対象となり、3%の課徴金が課せられます。2億円の売上であれば、600万円となり、商品によっては利益の大半を吐き出すことになるでしょう。もちろん同時に、大々的に報道もされるでしょうから、会社の評判はガタ落ちになると考えられます。
 また、消費者庁だけでなく、各都道府県も措置命令を行えるようになっていますからこの点も注意が必要です。こちらの改正は既に、2014年12月1日からスタートしています。現在、都道府県において情報を集め、ターゲット企業を探している段階と考えられます。この改正についても、いつものように、改正をアピールする「動き(=処分)」があると考えられますので、これからは、事業者にとっては特に危険な時期だと思います。
 さて「すぐにやるべき対策」ですが、14年11月公表の景表法の改正に関連するガイドライン(詳しくは消費者庁のホームページを見てください)では、表示を管理するための社内体制作りが要求されており、とても参考になります。
 各会社では「表示等管理担当者」という「表示についての責任者」を設けることが要求されています。貴社において、まだ、そのようなポストがなければ、すぐに設けてください。
 もちろん、他のポストとの兼務で問題ありません。社長兼務でも構いません。また、ガイドラインを参考にして、表示についての社内体制、フローを作ってください。
 これらがきちんと整っていれば、景表法に違反するリスクは、かなり減るはずです。


〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手がけてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「こんなにおもしろい弁護士の仕事」Part1~2(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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