【千原弁護士の法律Q&A】▼185▲ マイナンバー法のポイントと注意点は?

千原 曜 弁護士

〈質問〉

 先日、先生がセミナーで、マイナンバー法の解説をされたとうかがいました。まもなく運用が始まるということですが、ポイントや注意点などを教えてもらえますか。また、当社は、ネットワークビジネス(NB)会社ですが、税務署の指導で、一定の金額を超える報酬を支払うメンバーからは、源泉徴収をしています。こちらにも影響があるかと思いますが、いかがでしょうか。(NB会社社長)

〈回答〉 対象者の「個人番号カード」の確認を

 世間で話題になっていますが、今年の10月になると、「すべての個人」に、12桁の「マイナンバー」が割り当てられ、すべての企業は、源泉徴収票などの法定調書や、従業員の健康保険、介護保険、雇用保険、年金、児童手当などの書類を提出する場面で、必ず、従業員(と対象となる家族など)の「マイナンバー」を付けて、提出しなければなりません。なお、「全ての法人」にも、13桁のマイナンバーが割り当てられますが、こちらの方は、特に対策は必要ないので、この先は、個人のマイナンバーについてご説明します。
 会社では、従業員やその家族から、今年の10月に通知が来たら、早めにマイナンバーを教えてもらう必要があります。そして、他人の「なりすまし」などを防ぐため、「本人確認」をすることが義務づけられています。
 一番楽なのは、行政に申請すると交付される、写真付きの「個人番号カード」を提示してもらうことです。そこで、対象となる従業員や家族には、この「個人番号カード」を作ってもらって、それを確認して、会社がマイナンバーを把握するのが良いと思います。
 個人番号カードがない場合は、10月に送られてくる個人番号の通知書や免許証などを組み合わせての本人確認が要求されます。「特定個人情報保護委員会」というのが、この法律の責任機関ですが、こちらのホームページに、詳しいガイドラインやQ&Aが出ていますので、よろしければ参照してみてください。
 次に、メンバーさんの報酬支払にかかる源泉の関係ですが、税務署に提出する支払調書には、メンバーさんのマイナンバーを書かなければなりません。そこで、同じく「きちんと本人確認をした上で、マイナンバーを取得する」というプロセスが必要となります。
 こちらは、全てのメンバーさんから取得するか、アクティブなメンバーさんだけを対象にするかなどは、各会社でプロセス、手順を決める必要があると思います。
 貴社の顧問の社会保険労務士事務所、税理士事務所などとも、早めに打ち合わせて、会社の経理や総務担当も含めて、社内フローを決める必要があります。
 また、NBの場合、報酬計算をシステム会社さんにお願いしているケースが大半ですが、システム会社さんとも、フローをすりあわせる必要があると思います。
 今年の10月に通知がなされた段階で、各社とも、慌てて準備を始めて大忙しとなる可能性が高いですので、早めの対応をお勧めします。


〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手がけてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「こんなにおもしろい弁護士の仕事」Part1~2(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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