【千原弁護士の法律Q&A】238 監視カメラの映像もとに会員の処分検討しているが…。

”訴訟で争う場合も証拠として問題なし”


(質問)
 ネットワークビジネス(NB)会社です。当社では、オフィスの中に、会員がセミナーに利用できる個室があります。以前から防犯目的として監視カメラを設置しています。今回、弊社の経営陣の悪口を言っているという噂があるリーダーのセミナー画像を確認したところ、本当に誹謗中傷を行っていることが確認されました。当社としては録画内容をもとに、そのリーダーの処分を検討しています。ただ画像の録画や利用などについて会員の同意は取っていませんので、個人情報保護法や肖像権の問題が気になります。またこじれて裁判になったときには証拠として使用できるのでしょうか。今後、同種の案件が起きた場合の備えも含めて、ご教示いただけると助かります。             (NB会社社長)


(回答)
 1、まず、録画映像を規約違反等の証拠とすることは、民事的には問題ないと存じます。
 最終的に訴訟で争うことになった場合でも裁判上の証拠としての能力には問題はありません。肖像権侵害、あるいは個人情報保護に関しても、貴社の管理物件内での防犯・セキュリティー対策としてのビデオ録画ということであれば目的は正当であり、法令違反の問題も基本的には生じないと思料します。
 なお、行政による「個人情報保護ガイドライン」のQ&Aでは、店舗への防犯カメラの設置について「防犯カメラにより、防犯目的のみのために撮影する場合、取得の状況からみて利用目的が明らかなので、利用目的の通知・公表は不要」としつつ、「防犯カメラが作動中であることを店舗の入口に掲示する等、本人に対して自身の個人情報が取得されていることを認識させるための措置を講ずることが望ましい」としています。
 そこで、貴社としては、個室の内外のどこかに防犯カメラがある旨の表示などをすれば、より良いということになります。
 2、ただし、防犯目的のみならず、たとえばセミナー内容のコンプライアンスの遵守状況や、規約違反の有無の確認等のためにも取得した個人情報を利用する場合、個人情報の利用目的を「予め公表している範囲内」で行う必要があります。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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