【カタログから分析 通販会社調査隊】〈50〉 ランクアップ/顧客自身が問題解決する内容に

ランクアップのカタログ

 化粧品通販のランクアップ(本社東京都、岩崎裕美子社長)は、商品の理解を深めてもらうために掲載商品に限定したカタログの制作に力を入れている。
 同社の主力化粧品は「ホットクレンジングゲル」。約4年前、1人の社員が「この商品だけの情報を掲載する読本があれば、お客さまをもっとファンにできるはず」と提案し、「ホットクレンジングゲル読本」を作成した。
 「ゲルとオイルとの違い」「クレンジングの重要性」「無添加」「使用方法」など、伝えたい情報が多い。そのためセールス文句は抑え、啓発につなげる内容を心掛けた。
 美容相談室に寄せられる顧客の声も反映した。「ホットクレンジングゲル」は毛穴の黒ずみが気になる人に向けて訴求している。肌を洗いすぎると乾燥して皮脂が過剰に分泌し、黒ずみになってしまうといった情報を分かりやすくイラスト付きで盛り込んだ。
 冊子は「ホットクレンジングゲル」を新規購入した顧客に同梱している。「冊子を同梱し始めたことでお客さまの疑問が解決し、問い合わせ数が減少した」(日高由紀子取締役)と話す。
 同社の売り上げは年々拡大しており、冊子を入れる前より受注コール数は2倍以上になった。通常はその分問い合わせ数も増加するものだが、使用方法やクレンジングの悩みといった美容相談室への問い合わせ数は、冊子同梱前と変わらないという。
 「冊子を制作していると盛り込みたい情報がどんどん拡大していき、ほかの商品まで紹介してしまいそうになる。しかしそれでは伝えたいことが分からなくなる」(同)と話す。必要な情報はふんだんに盛り込み、ほかをいかに除外するかというバランスを重視している。
 美容相談室などに寄せられる声をもとに、年に数回のリニューアルを行っている。
 「ホットクレンジングゲル」は温感のあるクレンジング料。現在、市場に同様の商品が多数投入されているが、同社が先駆けて販売したという。このほか、泡立てない朝専用洗顔料や、頭皮に使用するコンディショナーなど、一般的な概念を覆すような商品も目立つ。
 このため、商品の理解を深める読本は「ホットクレンジングゲル」以外のこうした商品にも拡大している。
 「しっかり伝わっていながらも、広告や説教めいた感じがしないと、通販業界の人にも褒められる」(同)と言う。1商品だけを取り上げ、顧客にしっかり伝える読本は今後も増やしていく方針だ。


【カタログデータ】
 発行元:ランクアップ
 創刊:11年3月
 発行頻度:当該商品の初回購入者に同梱
 発行部数:毎月2万部
 商品分野:化粧品
 構成:A5横


【会社概要】
 設立:05年6月
 売上高:59億7000万円(14年9月期)
 社員数:41人
 販売媒体:会報誌、新聞広告、ネットなど

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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