〈6月、最高級スキンケア発売〉ロイヤル化粧品 桃園忠会長/スイスの研究機関に臨床試験を委託

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純金化粧品の草分け的存在なのがロイヤル化粧品(本社東京都、桃園忠会長)だ。常に植物由来の保湿成分にこだわっており成分と研究開発を進めている。今年6月にはこれまでの集大成と呼べる最高級スキンケアを発売した。同社の桃園会長に新製品や今後の展開について聞いた。

 ─ロイヤル化粧品は6月で創立28周年を迎えた。
 創立28周年を記念した月例会議を6月2日に帝国ホテル東京で開催した。2013年までは毎年、ハワイで周年記念イベントを行ってきたのだが、ハワイに行くとなると1週間は家を留守にしなければならず、行きたくても行けない人がいたので、それなら国内に開催地を変えようということになった。ただ節目となる30周年はハワイで行う計画だ。
 ─15年3月期決算における売上高はどうだったのか。
 前期に比べて横ばいだった。良くもなければ悪くもなかったという印象だ。消費増税の直前は売り上げが好調であったこともあり、その反動が今期業績に影響したと思う。
 ─御社は健康食品の取り扱いも始めている。売り上げの内訳は。
 健康食品は3アイテム販売しており、全体の15%程度に留まっている。ただ、化粧品に比べると健康食品のほうが成長率は高い。主力製品の「ロイヤルインナーEX」はパパイヤ葉抽出物などを主成分にしたこだわりの製品。東京大学の森本幾夫名誉教授と共同研究を進めるなどエビデンス構築に力を注いでいる。
 ─化粧品に関するエビデンス構築は行っているのか。
 肌に関する臨床データの構築は14年にスイスの研究機関に委託して行った。当社の化粧品をスイスの研究機関に送って、さまざまな肌質の人、また、若い人から高齢者まで幅広い年齢層の人たちを集めて治験してもらった。純金を入れた化粧品と入れていない化粧品を使ってもらうと、保湿効果に大きな差が出た。純金の入った化粧品は保湿力、美白で有意性があることがデータとして証明されたので、今まで以上に純金化粧品に対する確信は深まった。
 ─今年の重点施策について。
 創業から28年の集大成とも言える究極の純金化粧品「SSシリーズ」を6月に発売した。会員しか購入できない限定商品だ。従来製品の良い部分をさらにパワーアップさせた。純金を従来品の3倍使っており、容器の上部は黒をベースにした高級感のあるデザインで、下部は透明にすることで純金をふんだんに使っていることが一目瞭然でわかる。
 「SSシリーズ」の価格は「クリーム」が6万円、「ローション」3万5000円、「洗顔フォーム」5000円と比較的高額に設定した。内容成分、使用感を考えれば決して高い金額とは思わない。最近は10万円を超えるクリームが販売されているが、そうした商品に決して負けない製品力だと自負している。
 購入できるのは会員のみという会員特典にした。販売目標は総売り上げの2割だ。創業28年の集大成となる化粧品という話をしたが、決してこれがゴールではない。常に最高のものを求めていく姿勢で臨みたい。
 ─御社は海外展開にも積極的だ。
 海外展開は、日本国内のように訪問販売ではなく、現地企業と代理店契約して卸売りを行っている。中国は富裕層が大勢いるので彼らをターゲットに販売している。ネット販売されていたり百貨店でも販売されている。また中東のドバイからも引き合いがきているので検討している。EUは化粧品に対する規制が厳しくなったのだが、今回、スイスでエビデンスを取得できたので販売が可能になった。化粧品は「ハラル認証」も取得しており、今後もグローバル展開を見据えた動きをしていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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