【太陽光発電特集 好調企業4社に聞く「15年度の事業戦略」】 〈売上高100%増の10億円〉プレジャーハウス 布施浩社長/20年までにグループ10社体制へ

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布施浩社長

布施浩社長

東海地域を中心に太陽光発電やオール電化を販売しているプレジャーハウス(本社愛知県)が急成長している。8期目となる15年5月期の売上高は、前期比100%増の10億円に達する見通しだ。今後は住宅関連サービスを軸に事業の多角化を進め、さらなる業績拡大を狙う。「2020年までにグループで10社体制を目指す」と話す布施浩社長に今後の事業戦略を聞いた。

太陽光と塗装をセットに

 ─取扱商材と販売方法、営業地域をうかがいたい。
 布施 戸建住宅向けの事業では、太陽光発電とオール電化、蓄電池、住宅リフォームを販売している。販売方法は主に戸別訪販とテレアポ。営業地域は愛知県、岐阜県、三重県、静岡県が中心だ。近年は住宅や店舗のリノベーション事業にも力を注いでいるほか、昨秋には不動産事業も開始した。
 ─営業担当者の人数と施工の体制は。
 布施 営業は約20人。施工はグループ会社のVIPクリエイトが手掛けている。
 ─15年5月期の売上高の見通しは。
 布施 売上高は前期比約2倍の10億円を見込んでいる。
 ─売上高が大幅に伸びた要因をどのように分析しているか。
 布施 住宅用太陽光発電の受注が増えたことと、産業用太陽光発電の売り上げが伸びたことが増収の要因だ。また、太陽光発電を販売する際、外壁塗装をセットで販売するなど、客単価を引き上げるための施策も奏功した。太陽光発電を設置する際に足場を組むため、塗装も行ってしまえば足場の設置費用は1回分で済む。太陽光発電と塗装を同時に施工することのメリットを説明し、塗装の潜在需要を掘り起こしている。


実力次第で社長に登用

 ─事業ごとに分社化している。
 布施 グループには営業部門を担っているプレジャーハウス、施工事業のVIPクリエイト、不動産事業を手掛けるFUDOUSAN(フドウサン)、お客さまの住宅の施工を手掛けるGOEN(ゴエン)がある。
 ─分社化の狙いは。
 布施 社員の成長に合わせて役職を与えたいと考えているからだ。やる気と実力がある社員に社長を任せる。実際、アポインターとして入社した社員が今ではグループ会社の社長を務めている。
 ─ポジションが人を育てると。
 布施 その通りだ。社員の自発的な想いを大切にしたいので、尊重すべき点は尊重し、任せるところは任せる。責任と権限を与えることで社員は成長すると思う。そうなれば、結果的に会社の成長につながるだろう。2020年までにグループで10社体制を目指す。そして、グループ全体で売上高100億円を達成するのが中期的な目標だ。


グループ年商25億円へ

 ─16年5月期における売上高の計画は。
 布施 プレジャーハウス単体で15億円を目指す。グループ全体では売上高25億円以上を狙いたい。
 ─売り上げを伸ばすための具体的な戦略を教えてほしい。
 布施 戸建て住宅の消費者には、「スマートハウス」をテーマに蓄電池やヘムス(家庭内電力管理システム)の提案を強化する。太陽光発電とセットで販売したい。リフォームの拡販も引き続き行う。
 グループ全体ではリノベーション事業や不動産事業も拡大するだろう。フドウサンは14年11月に設立したばかりだが、これまでの受注状況からすると、今年度に売上高10億円を達成する可能性もある。今後の成長が非常に楽しみだ。
 また、今後は法人営業にも力を注ぐ。地域に根ざした中小規模の電器店と提携し、太陽光発電やオール電化を卸売りしながら、同行営業や施工支援などを行いたい。電器店の中には、多くの顧客と信頼関係を構築しているにも関わらず、営業力が足りないために太陽光発電などを販売できていないケースもある。そういった電器店と提携することで、当社と提携先の双方にメリットが生まれるはずだ。将来的には工務店との提携も模索していく。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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