【トライステージ 妹尾勲取締役社長執行役員】顧客データ分析に活用

妹尾勲 取締役社長執行役員

 テレビショッピングを中心としたダイレクトマーケティング支援事業を手掛けるトライステージの17年2月期連結業績は、売上高が前期比27.4%増の473億200万円、純利益は同60.3%増の7億6100万円となる増収増益だった。主力のテレビ事業が順調に推移したとともに、DM発送代行を手掛ける子会社も黒字転換。さらに子会社を設立して、漢方製剤の通販事業にも進出した。通販参入の狙いや当面の計画を、妹尾勲取締役社長執行役員に聞いた。

■DM発送代行が営業黒字に転換
--17年2月期の業績は好調でした。期中に上方修正を行ったにもかかわらず、修正見通しを上回り、主力のテレビ事業も2桁増収でしたが、要因は。
 「お客さま(通販事業者)の出稿意欲が年間を通じて高かった。お客さまの業績が伸びているのだと思う。そうでなければ出稿にはつながってこない。お客さまにとっての新規の顧客獲得はそもそもコストがかかるので、獲得した顧客を維持し続けることで収益を得なくてはならない。しかし、維持するだけでは顧客名簿が自然減等により縮小するので、新規顧客の獲得も継続しなければならない。お客さまからは、その兼ね合いが難しいという声を聞くが、そのバランスはお客さまごとに異なるノウハウだ。出稿の好調が続いた理由として、新規獲得と維持を速いサイクルで回すお客さまが増えたのではないかとも考えている。テレビはメディアコストが高いというお客さまにはラジオや新聞、ウェブへの出稿を勧めるケースもある。比較すると単価は圧倒的に小さいが、想定以上の結果が出て、その成果を大きくしようとテレビに移行するお客さまもいる」
--DM発送代行を行う子会社のメールカスタマーセンターも順調で、営業利益が黒字転換しています。
 「メーリングサービス市場はある程度頭打ちだとは思うが、中小で淘汰が起きているようだ。料金の値上げが次々と発表され、賄いきれないところが出てきている。その影響もあって業務量が増えている。DM発送事業の収益性が上がった要因は、代理店経由ではない、クライアントとの直接取引が増えたことだ」
--代理店の中抜きは、後に弊害を招く懸念はなかったのですか。
 「代理店からの仕事は全体の6割以上を占めており、われわれにとって大切な存在だ。しかし、DM発送のクライアントが代理店を省いてくるケースが出始めている。直接取引による新規案件の増加が収益向上につながったとみている」
--ネット広告代理店のアドフレックス・コミュニケーションズを傘下に収めるなど、ウェブ事業の環境も整備しました。
 「ウェブ事業は本来、自前でやりたかった。しかし、専門性が高くトレンド変化のスピードが速い分野であり、必要な人材をそろえる時点で難しかった。アドフレックスのクライアントはほとんどが通販事業者なので、アドフレックスの考え方や言語はわれわれと同じだ。実は数年前から一緒にやりたくて打診してきたが、ようやく結実したという形だ」
--さまざまな取り組みの中で意外だったのは、日本ヘルスケアアドバイザーズ(NHA)の設立です。子会社とはいえ、まさか個人向け通販事業に進出するとは思いませんでした。
 「サービスメニューの一つとしてCRMの領域にチャレンジしようとしたが頓挫した経緯がある。理由は経験の浅い段階で、お客さまから顧客データを預かることが難しかったからだ。NHAを設立したことでハウスリストが手に入る。これまでは、お客さまの新規顧客獲得の部分を中心に手掛けてきたが、本来は獲得した顧客データを分析してリピートにつなげていくことがお客さまの収益源になる。その収益源の部分のノウハウを手に入れれば、われわれの強みはさらに増大する。ハウスリストを使って顧客データを分析するのは自社の業務であり、誰にも迷惑はかけない。そこから得た再現性のあるノウハウを、われわれからお客さまに提供することが可能となる」

(続きは「日本流通産業新聞」6月8日号で)

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