【ハーバー研究所 末広栄二社長】通販、店舗の部署統合し全社で成長

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末広栄二 社長

末広栄二 社長

 ハーバー研究所では末広栄二氏が社長に就任して1年が経った。この1年の間で通販と店舗の部署を統合し、全社で新規顧客の獲得とリピート顧客を育成する体制を構築している。早くも結果が表れており、16年3月期の連結売上高は前期比12.4%増の148億1100万円となった。ソーシャルコンサルタントとしての経歴を持つ末広社長は、2年前にマーケティング事業本部のディレクターとして入社。SNS活用も積極展開して、アプローチできる顧客の幅も若年層まで拡大している。末広社長にこの1年の取り組みと今後の目標について聞いた。



■ネットの活用進める

ーー社長に就任して1年経った。化粧品会社はハーバー研究所が初めてだそうだが、化粧品通販についてどう感じているか。
 「化粧品の歴史を振り返ると、もともとは美容部員がいてしっかりコンサルタントして販売するものだった。しかし、アナログからデジタルなものに変わったり、売り場が一般的な化粧品店からドラッグストアやセルフ店に移行したことによりコンサルの部分が薄くなり、しっかりとした化粧品の使用方法が伝わっているのか不明になっている。こうした課題を払拭するため、私が社長に就任してから、美容と健康をサポートする企業という意識を前面に出していこうと動き始めている」

ーー末広社長の得意とするネット部門を強化している印象がある。
 「新規顧客の獲得では、王道手段の新聞広告や折り込みチラシの効率が悪くなっている。一方、ネットは検索結果の蓄積でその人物像がより鮮明になり、広告の効率が上がっているため、ネットは強化している。LINEのお友だちは900万人を突破した。ブログサービス『Ameba(アメーバ)』で芸能人や有名ブロガーに商品情報を提供して紹介してもらう『Ameba記事マッチ』も活用して、20代前半にアプローチの幅が拡大している」


■商品ではなく美容方法で訴求

ーーネット活用は末広社長のアイデアなのか。
 「私はどのネット施策を選ぶのか、メリットがあるかといった判断はしたが、アイデア自体は社員が持っている。当社は慎重さを持ちながらも『失敗してもいい』とチャレンジできる基本的な風土がある。こうしたチャレンジの結果、ネット経由の売り上げは右肩上がりで推移している。しかし、ネットだけを伸ばそうというのではなく、全社を活性化させるため、ネット通販、紙媒体などの通販、店舗の部署を統合した」


(続きは、「日本流通産業新聞」6月30日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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