【2015年 訪販業界重大ニュース】太陽光訪販の苦戦が鮮明/大型倒産や身売り相次ぐ

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住宅用太陽光発電システムの訪販業界に淘汰の波が押し寄せた。訪販会社の倒産や身売りが相次いだほか、事業撤退に追い込まれた企業も目立つ。住宅用太陽光を扱ってきた訪販会社が住宅リフォームなどへの業態転換を図るケースも増えている。
 今年3月、東北地方で最大手だった創造ホールディングスや、大阪を拠点に訪問販売を手掛けていたリベルテが破産した。2社の年商規模は最盛期で30億~50億円だったが、競争激化などで14年ごろから売り上げが急減し、資金繰りに行き詰まったとみられる。
 サニックスなどは住宅用太陽光発電の訪販から撤退。8月には関東や九州で太陽光発電の訪問販売を手掛けるエコ&エコが、東証一部上場のナックに買収されるなど合従連衡も進んだ。
 住宅用太陽光発電の補助金は14年3月で終了した上、電力買取価格も年々下落し、住宅用太陽光発電の需要は減退している。
 市場環境の変化に対応するため、取扱商材の切り替えや販売方法の見直しに着手する訪販会社も珍しくない。特に、住宅用太陽光発電のメンテナンスサービスを足掛かりに既存客を訪問し、住宅に関する悩みを聞き取りながら住宅リフォームを提案する手法がトレンドだ。
 3月から政府が省エネリフォームにポイントを発行する「エコ住宅ポイント」が復活したことも、リフォーム事業へのシフトを後押しした。補助金が復活した家庭用蓄電池も有望な訪販商材となっている。
 ただ、住宅用太陽光発電の穴を埋めるような商材は、まだ現れていない。ドアツードア訪販やテレアポ業界では新たなヒット商材の登場が待たれる。

中堅NB企業が成長目立つ

ネットワークビジネス(NB)では、中堅企業の安定的な成長が目立った。外資系からの組織移動も活発で、リーダーを含めた新規会員獲得が激しさを増している。
 中堅企業の中でも着実な成長を遂げているニナファームジャポン(本社東京都、那須みずほ社長)は15年3月期でも8期連続の増収を達成した。新たな成長を遂げるために4月1日には、登録条件を緩和し、サプリメントだけではなく、スキンケアの購入でも会員登録できるよう改め、新規会員の獲得を強化している。 11月1日、独自のトレーニングメソッド「ニナメソッド」を導入した。サロンでのコンテンツの一つとして活かす考えで、会員の定着化につなげる。
 ペレ・グレイス(本社東京都、佐藤知己社長)も8期連続の増収となった。
 今年9月には、さらなる成長を目指し、グループ間の意思疎通やダウンラインの育成、情報共有を目的に、上位会員で組織する「ダイヤモンドクラブ」を発足。四半期に一度のペースでミーティングを行い、組織の活性化を図る。
 フィールドの動きが活発なNB業界。順調に成長を続けるには、製品力もさることながら、会員が安心して取り組める環境づくりが重要となるだろう。

続きは「日本流通産業新聞」12月10日・17日の合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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