日本トリム/透析関連の論文が掲載/電解水透析がQOL向上に寄与

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 電解水素水整水器の職域販売などを手掛ける日本トリムは電解水素水の医療分野のエビデンス取得に力を入れている。東北大学慢性腎臓病透析治療共同研究部門との共同研究チームは9月13日、「水素を付加した血液透析療法『電解水透析』の臨床効果」に関する研究の中間報告論文が、米国の科学系学術誌「PLOS ONE(プロスワン)」に掲載された。臨床試験で、電解水透析が透析患者のQOL向上に寄与することが示唆されたのだという。
 5年間の長期に渡る電解水透析と通常透析の予後比較を行う臨床研究の12カ月時点の中間報告が、今回の論文では示された。臨床試験の対象となったのは7施設の透析患者262人。患者の身体所見や、各種臨床検査、服薬歴、自覚症状に関するアンケート結果などのデータを集め、比較解析した。
 解析の結果、電解水透析を実施した患者は、「降圧薬の投与量の減少」「重度な透析疲労およびかゆみ症状の抑制」の各項目について、統計学的に有意な改善が確認された。このことから、電解水透析は透析患者のQOL向上に寄与することが示唆されたとしている。
 日本トリムでは「現在、5年間の観察で、『総死亡率』『合併症罹患状況』『入院回数』『自覚症状』『各種臨床検査値』などの解析を進めており、さらなる電解水透析の臨床的な優位性を検討していく」(経営企画部)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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