水宅配業界/大手3社が物流改革推進/各社、独自配送網の構築目指す

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 大手水宅配企業が物流体制の改善に着手している。ツーウェイ(リターナブル)方式で水宅配を展開するアクアクララ(本社東京都、赤津裕次郎社長)と、「クリクラ」ブランドでツーウェイ方式の水宅配を展開するナックは、今年6月に合弁会社ACC(エーシーシー、本社東京都、赤津裕次郎社長)を設立。ACCを通じ、両社の自社配送物流網を相互補完していく考えだ。ワンウェイ方式で水宅配を展開するプレミアムウォーターホールディングスでは、中小の配送会社とタッグを組み、同社独自の配送網を構築していく考えだ。


■ACCは、2社の物流網を「相互補完」へ

 アクアクララとナックの2社は、一部地域を除きツーウェイの水宅配は基本的に自社配送方式で行っている。そのため、昨今問題となっている、宅配会社の配送
費値上げの影響は「特にない」と口をそろえる。ただ、「プラントから配送拠点までの配送など、合理化できる部分はある」(アクアクララ・赤津社長)と言う。
 ACCは、アクアクララとナックの両社のコストダウンを図る目的で設立された。「物流コスト削減に向けて、共同配送などを行っていく」(ナック・広報IR)のも設立の狙の一つだ。
 赤津社長は「当社とナックでは商圏に若干差がある。ナックは都市部に強みを持っているが、当社は、母体がガス会社であることもあり、都市ガス供給エリア外に強みがある。ACCによってこうした差を相互補完できればと考えている」と話す。「例えば、ナックが物流拠点を持っている地域の中に、当社の拠点がないところもある。こういったエリアの配送を共同で行うことによって、物流の合理化が図れるのではないか」(同)とみている。
 ACCの会長でもあるナックの寺岡豊彦会長は「2社の物流網を組み合わせると、北は北海道・稚内から、南は鹿児島の先まで細かくカバーする物流網が出来上がる。水を運ぶだけでなく、周辺の分野の物流網としても機能させることができるのではないか」と期待感を示している。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月27日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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