「打消し表示」/消費者庁、景表法上の考え方示す/体験談「問題となるおそれある」

消費者庁が作成した健康食品の架空広告

 消費者庁は7月14日、広告表現に用いられる「打消し表示」の実態調査の報告書を公表した。消費者庁は、調査の結果「多くの一般消費者が打消し表示を見落としている」「打消し表示を見ても内容を理解できないでいる」実態が明らかになったと報告。打消し表示の文字が見落としてしまうほど小さかったり、背景色と区別しにくかったりする場合に、「景品表示法上問題となるおそれがある」(大元慎二表示対策課長)などとする見解を示した。体験談については、打消し表示が明瞭になされていても問題となる可能性があるとの見方も示している。
 実態調査は、一般消費者6人のグループインタビュー調査、ウェブによるアンケート調査(回答者数1000人)、3人の有識者による研究会の実施などを通して行われた。実施期間は、16年10月31日~今年3月31日。実態調査を行った背景について消費者庁は、「景品表示法上の考え方を示すため」(大元慎二課長)と説明している。今回公表した内容は「基準などではなく、あくまで考え方を提示したということ」(大元課長)としている。「強調表示を行う場合、そもそも打消し表示なしでの表示が望ましい」(同)という理由から、「改めて基準などを作る予定はない」(同)とした。
 ウェブアンケート調査では、消費者庁が作成した架空の広告物について、消費者1000人からの意見を聞いた。作成したのは「ウェブ広告」「CM風の動画」「テレビショッピング風の動画」「体験談を盛り込んだ健康食品の紙媒体広告」の4種類。
 調査の結果、強調表示に気付いた回答者のうち、79.8%の回答者が打消し表示を見落としたという。これを受け消費者庁は、「打消し表示の表示方法に関する考え方」を示した。「打消し表示の文字が見落としてしまほど小さい場合」「打消し表示の文字と背景の区別がつきにくい場合」「一般消費者が打消し表示の内容を理解できない場合」などについては、「景表法上問題となる恐れがある」(大元課長)とした。
 そのほか、動画広告においては、「打消し表示の表示されている時間が短い」「強調表示とは別の画面に、打消し表示が表示されている」「音声などによって強調表示に注意が向けられ、打消し表示に注意が向かない」場合も景表法上問題になり得るとした。ウェブ広告の問題になり得るケースとしては、「強調表示から打消し表示までスクロールをしないと見えない」場合も挙げた。
 健康食品などの広告に、体験談を用いる場合の打消し表示についても考え方を示した。
 ウェブアンケートで体験談を見た一般消費者のうち42.2%が「大体の人に効果がある」と認識したという。
 「商品を使用しても効果や性能が全く得られない人が相当数存在するにもかかわらず、『商品の効果・性能があった』とする体験談を表示した場合、打消し表示が明瞭に表示されていたとしても景表法上問題となる恐れがある」(同)との見方を示した。

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