ヤマト運輸/複数の物流企業に解約通告/値上げ交渉なく、一方的に

6月にB社に通知された解約書面

 九州福岡地区でヤマト運輸が、同社とこれまで取引のあった、複数の物流受託企業に対して、一方的に取引解約の通知を行っていたことが分かった。本紙が取材した3社とも、ヤマト運輸側から、取引停止に向けた交渉はなかったという。解約の理由等が記された書面などは渡されず、口頭で解約を告げられただけという企業もあった。ヤマト運輸は4月28日付けで、ネット通販会社などの大口顧客に対して、9月に値上げを実施する旨の発表を行っている。だが今回は、値上げの交渉ではなく、一方的な取引の解約通告ということで、九州の3PL企業や通販会社に動揺が広がっている。


■解約について事前交渉なく

 今回解約の通知を受けた3PL企業3社によると、各社は17年4月から5月にかけて、荷物の配送を委託しているヤマト運輸の主管支店の支店長と営業担当者から、「7月末で取引を停止する」ことを一方的に告げられたという。解約を告げられたその場では、解約に関する理由などが明記された書面の交付などは一切なかったとしている。
 本紙が取材した3PL企業3社の中のA社では、ヤマト運輸が値上げを行うと発表してから約2週間後の5月中旬ごろに、訪ねてきた、ヤマト運輸の主管支店の支店長や営業担当者から、「申し訳ないが、7月で取引をやめたい」と告げられたという。A社のケースでも解約の理由は一切明かされなかったとしている。
 A社は、ヤマト運輸と10年ごろから取引を行っており、17年は月間平均15万~20万個の荷物を出荷していたという。出荷していた荷物の8割が80サイズで、1個当たり400円弱の価格で出荷していた。
 ヤマト運輸との取引の停止時期については、交渉によって7月末ではなく、9月前後まで延ばすことができたとしているが、同社のヤマト運輸との取引停止で、影響を受ける通販企業は50社以上に上るという。
 「値上げを言われれば受け入れるつもりだったが、事前交渉の一切ない取引停止は一方的過ぎる。今後、別の配送会社と取引ができるように話を進めているが、7月12日時点でまだ見積もりは出ていない。メドが立たない場合、倒産するクライアントが出る可能性もある」(A社社長)と言う。


■書面交付もヤマトの社印なく

 解約を告げられた3PL企業のB社は、ヤマト運輸の二つの支店に対して、それぞれ月間約8万個を出荷していたという。4月ごろ、二つのヤマト運輸の主管支店の支店長と担当者から、口頭で解約を言い渡されたとしている。同社はヤマト運輸に対して、口頭ではなく書面を出すように要請したところ、5月に入ってから、解約の書面が、二つの支店からそれぞれ、支店長の個人印が押された形で届いたという。両書面にはやはり、解約の理由が記載されていなかった。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ