国民生活センター/「海外マルチ」に注意喚起/海外事業者処分難しく

 国民生活センター(国セン)は6月16日、「海外マルチ事業者」との契約について注意喚起を行った。日本国外で登記した事業者が「日本の法律は適用されない」などと主張する事例が増えているという。特商法による海外事業者の処分は難しく、カード会社に返金への協力を求めるなどの対応を取っていくという。
 国センの発表によると、海外マルチ事業者に関する消費者相談は、14年4月〜17年3月までの3年間で合計200件に上る。そのうち約半数を特定の事業者が占めており、社名を変えながら勧誘を繰り返す被害事例も出ているという。
 問題となっている事業者は、海外で法人登記を行っており、まったく架空の詐欺集団ではないという。実際に海外に事業所が存在するケースと、日本人が海外で登記しているだけのケースがどちらもあるとしている。SNSを通じて若者の会員を集めており、「通販サイトのキャッシュバック」や「紹介制の旅行クラブ」など、役務を商材とするケースが多い。
 海外マルチ事業者の一部は、「日本の法律の適用外だ」と主張して、クーリング・オフを拒否しているという。問い合わせの窓口が存在しないケースや、海外窓口が英語対応を強要するケースもあるとしている。
 国センはこれに対し、販売形態が「連鎖販売取引」である限り特商法の適用が可能だという解釈から、消費者にクーリング・オフが可能であることを周知していく。カード決済を行う事業者が多いため、(一社)日本クレジット協会などにも情報提供を行い、被害者に速やかな返金が行われるよう促していく。
 海外事業者の展開するマルチ取引であっても、海外事業者に登録して日本で活動するディストリビューターを日本法で処分することは可能だが、前例がないため難しいという。「専門家の議論では、特商法で処分するには、海外事業者の所在地で裁判を行わないといけないそうだ。日本人勧誘者の処分は可能だが前例がない」(相談第2課・小池輝明主事)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ