リピート通販の海外展開加速/50社超が台湾進出/メディプラスは年商5億円に

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 化粧品や健康食品などの定期販売を行うリピート通販会社の台湾進出が加速している。現在は50社以上の国内企業が、台湾でリピート通販を展開。化粧品通販のメディプラス(本社東京都、恒吉明美社長)は13年に進出し、17年8月期は台湾だけで5億円を売り上げる見込みだという。コラーゲンドリンクなどを販売する日本水産や健康茶販売のティーライフも台湾通販市場に参入し、売り上げを拡大している。


スタートアジアが開拓 化粧品通販大手や健康食品通販大手の数社が13年、台湾向けのリピート通販を開始した。親日国であり、日本の商品も身近にある台湾の消費者ならば、日本流のリピート通販が通用するかもしれないと考えたからだ。
 中国市場ほどのポテンシャルはないかもしれないが、中国市場ほどのカントリーリスクもない。日本市場は次第に競争が悪化し、顧客獲得単価の悪化も目に見えていた。うまくいけば未開拓の2000万人市場を創出できる。
 このようなヴィジョンをいち早く描いたのは、ダイレクトマーケティング支援のファインドスター(本社東京都、渡邊敦彦社長)の藤原徹平取締役だった。藤原氏は13年4月にもう1人のスタッフと台湾で通販支援事業に着手した。
レスポンスは日本の5倍 藤原氏は13年、5社の台湾における通販事業を支援した。台湾の通販会社を開拓し、同梱広告を依頼すると日本の5倍近い反響があった。14年8月、台湾でダイレクトマーケティング支援を行うスタートアジアを設立した。
 「台湾で日本の商品が受けるのではないかと考えていたが、その反響には目を見張るものがあった。同梱広告のレスポンス率は0・5%くらい。チラシを1万件配布したら500件の注文が来る。100万円かけたら200万円の売り上げになった」(藤原氏)と振り返る。
 通販企業に費用対効果の高さを伝えると、広告予算を数倍に増やした。するとこれまでの数倍となる1000~2000件の注文が入った。
台湾通販の環境整備 リピート通販には広告だけでなく、コールセンターなどCRMの仕組みや顧客分析のための管理システムなどが必須だ。
 藤原氏はクライアントから委託を受け、スタッフとともに週末、エクセルで管理している顧客情報の分析を行っていたという。クライアントの事業が急拡大する中、運営体制の構築は急務だった。
 コールセンターなど現地のパートナー企業を開拓し、システム開発のアクセスと台湾通販向けの基幹システムを構築した。スタートアジアに出資もしているアジアンブリッジ(本社東京都、阪根嘉苗社長)は、現地での販売代行やフルフィルメントを請け負う。
 高いレスポンスに加え、運営環境が整備されてきたことで参入企業は右肩上がりに増えた。
 スタートアジアだけでも「新規進出ベースで13年に5社、14年に6社、15年に5社、16年に10社の台湾進出を支援した。今年も5月末までに4社の参入を支援。今後はさらに増えそうだ」(同)と見ている。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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