消費者庁/電話勧誘販売に指示処分/勧誘電話を外注、受託企業名乗らせ

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 消費者庁は5月24日、違法な電話勧誘販売を行っていたとして、健康食品販売会社のアンチエイジングラボ(本社東京都、岡本文人社長)に対して、特定商取引法に基づく指示処分を行った。同社は電話勧誘業務を通販会社などに委託。実際はアンチエイジングラボと消費者との取引になるにも関わらず、勧誘時には、受託した会社の名を名乗らせたりしていた。
 同社が販売していたのは、黒ウコンなどを含有した健康食品「アディポEX」、アイケア健康食品「ゴールドルテインEX」。15年11月期の売上高は1億2726万円で、「同社は通販も行っていたが電話勧誘販売の割合が多かった」(取引対策課統括消費者取引対策官吉野徹氏)としている。認定した違反行為は(1)氏名等の明示義務違反(2)契約書面交付義務違反109640の二つ。違反行為の是正とともに「違反行為発生の原因」「再発防止策及び社内コンプライアンス体制」の報告を求めた。
 消費者庁によると同社は、共済ニュース(本社東京都、松尾直樹社長)など複数の通販会社に電話勧誘販売を委託。各社の顧客リスト先に電話をかけさせていた。消費者庁によると「勧誘の際に、『アンチエイジングラボ』ではなく『共済ニュースです』などといって委託先の社名を名乗らせ、勧誘を行わせていた」(同)と言う。
 契約書面については「クーリング・オフに関する事項の記載が十分ではなかった」(同)と言う。
 消費者庁によると「アンチエイジングラボと共済ニュースは、資本関係などは認められなかったが組織的な運営を行っていたとみられる」(同)としている。
 共済ニュースは1953年から「国家公務員共済法」の制度普及誌などを発行していた会社。15年に松尾社長が個人資金で買収したという。現在は「健康食品の電話勧誘販売受託や、健康食品のアフィリエイトサイト運営を手掛けている」(松尾社長)と話す。「アンチエイジングラボ社以外の複数の会社の健康食品の電話勧誘販売を受託している」(同)と言う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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