売電価格改定/「28円」に対応着々/外資メーカーは住宅用シフト

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 経済産業省は3月15日、17年4月以降に設置した太陽光発電の売電価格を決定した。予想通りの減額だったため、太陽光発電を販売する訪販各社はすでに織り込み済みだったようだ。減額を受け、これまで産業用に偏っていた外資系メーカーは、住宅用の販促を活発化している。
 太陽光発電の売電価格は、出力制御対応機器を設置しない住宅用の場合、1キロワットあたり3円安い28円になる。その他の太陽光発電も軒並み減額されるほか、大型の産業用太陽光発電については入札制が導入される。
 訪販各社はすでに値下げを織り込み済みのようだ。太陽光発電などのエコ商材を取り扱うサンユウ(本社東京都、山口滿社長)は、「今後は自家消費を目的とした販売を行っていくことが重要だ。蓄電池やエコキュートとうまく組み合わせて、節約効果を説明できる販売力が必要になる」(山口社長)と話す。
 太陽光発電の設備認定と電力申請が同時に行えるようになることは明るい話題だ。太陽光発電の販売・施工を手掛けるエージージャパン(本社千葉県、相原英二社長)は「事前の情報では、電力申請の後に設備認定をする必要があると聞いていた。同時に行えることになったため、当社の業務もスピードアップできる」(片山尚財務室室長)と喜ぶ。
 売電価格の変更で最も大きく影響を受けているのが、産業用需要に頼ってきた外資系モジュールメーカーだ。住宅用モジュールを購入する一般顧客の「国産信仰」が障害になり、外資系メーカーはこれまで、価格力を武器に産業用分野に注力してきた。
 韓国系メーカーの日本法人ハンファQセルズジャパン(本社東京都、金鍾瑞社長)は1月26日、住宅用モジュールの新製品3種類を発表した。「他社も3月の太陽電池展で一斉に新商品を発表するだろう。当社は先駆けて発表して注目を集める」(PVシステム事業部・島田直人営業統括部営業戦略室住宅システム戦略統括)と話す。中国系のトリナソーラーやカナディアンソーラーも、住宅用モジュールのキャンペーンを行うなど、販促を積極化している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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