ファーストリテイリング/「情報製造小売」始まる/顧客仕様の服を10日で宅配

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 「ユニクロ」や「ジーユー」を展開するファーストリテイリングは3月16日、企画から製造、販売までを一気通貫で行う「情報製造小売業」の事業戦略を紹介した。顧客が望むサイズやデザインを注文から10日間で製造し、宅配する新たなサービスの構想も明らかにした。
 都内・有明に設けた新オフィス「ユニクロ シティ トウキョウ」は、新たな事業戦略「情報製造小売業」のモデルとなる拠点だ。本社機能の一部である商品企画(MD)から生産、マーケティング、ITなどの部署が集結しているだけでなく、物流センター機能も併せ持つ。企画から製造、販売、配送までシームレスに行う事業体制を象徴するオフィスとなっている。
 既存の製造小売業では、商品の製造から販売まで半年以上かけていた。顧客の要望は店頭などでヒアリングしていたものの、製造から販売まで時間がかかることで顧客のニーズとズレが生じることもあったという。
 「情報製造小売」ではデジタルを駆使して、顧客の要望を吸い上げ、すぐに製造し販売できる体制を整える。柳井正社長は「生産に7日、配送に3日で10日間で注文から(顧客に)届ける仕組みを構築する」と話す。
 顧客が求めている商品をすぐに具現化し、店頭やネットで販売できる体制を作りたい考えだ。さらに、ネットを経由して顧客のサイズやデザインの要望を聞き、顧客ごとにカスタマイズした商品を直送するサービスも実現したいという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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