ヤクルト本社/宇宙空間で腸内環境の実験開始/「機能性宇宙食」の開発を目指す

宇宙飛行研究開発機構(JAXA)と共同でプロバイオティクスの継続摂取実験を行うと発表した

 ヤクルト本社は3月1日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、国際宇宙ステーション(ISS)内でプロバイオティクスの継続摂取実験を行うと発表した。400億個の乳酸菌シロタ株を含んでいる「ヤクルト400」と同等の凍結乾燥させた「L.カゼイ・シロタ株」を凍結乾燥。5カプセル(1日分)を宇宙飛行士に摂取してもらう。宇宙環境における免疫機能と腸内環境に及ぼす効果を検証するのは世界初だという。
 被験者は10人を予定。凍結乾燥したカプセルを毎日5カプセル、地上帰還前の4週間、継続的に摂取する。唾液や血液から免疫を確認するほか、排泄物による腸内フローラの状況も調査する。
 ヤクルト本社では14年から3年間に渡りJAXAと共同で、地上研究やプロバイオティクスを含む長期常温保管可能なカプセルのISS搭載影響評価実験を実施。地上の常温保管と同程度の生菌数を維持できることを確認するなど、宇宙実験に向けた準備を進めてきた。
 共同研究を通じて、将来的に「機能性宇宙食」の開発を目指す。骨量減少予防や免疫機能維持、精神心理的ストレスの緩和、放射線被ばく影響を軽減することを想定する。
 宇宙での実験を通じて災害時や高地、深海など特殊な環境での生活に機能性食品として活用することを目指す。
 ヤクルト本社の取締役専務執行役員の石川文保氏は会見で、「地上では分からないような宇宙空間でのプロバイオティクスの作用について純粋に知りたいという思いで始める。機能性食品への応用も期待したい」と話した。

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