次期総合物流施策大綱/人手不足など課題山積/AIやIoTの活用もテーマ

 政府における物流施策や物流行政の指針を示し、関係省庁が連携して将来の総合的な取り組みを推進する「総合物流施策大綱」の策定に向けた有識者会議が、2月16日からスタートした。6月上旬までに検討会の内容をとりまとめ、政府内で大綱案を検討し、今年夏頃をめどに閣議決定する。次期大綱は2017年から20年までの4カ年の物流を見すえたものだが、ドライバーの人手不足や労働環境の改善など、現状の課題は山積している。Eコマース市場の拡大に伴う宅配便取り扱い個数の増加なども、労働環境悪化の背景にある。物流の効率化に向けて、インターネットと物がつながるIoTや人工知能(AI)の活用もテーマとなる。

 1回目の有識者検討会では、トラックドライバーの人手不足や労働環境問題、雇用待遇の是正、一般消費者への啓発といった意見が各委員から相次いだ。特に物流の現場に携わる物流事業者からは、切実な意見が寄せられた。
 秋田進委員(日本通運取締役執行役員)は「1番の問題はドライバー不足」とし、「業界の構造的な原因がそこにあると思う」と指摘した。秋田委員によると、トラックドライバーの総労働時間は全産業に比べて約2割長い。
 しかし、2割長い残業を消化した上での年間所得は全産業と比べて2割低いという。しかも昨今、長時間労働に関するさまざまな規制が出始めているが、それを実行した場合、ドライバーの年間所得はさらに下がることになる。
 「それで本当に人が集まるのか、生活賃金すらままならないのではないかという、そのような構造的な状況にある」(秋田委員)と説明した。業界では約6万社がひしめき合う中で、国内貨物輸送量は漸減傾向にある。6万社のうち99%が中小企業となっており、各事業者の生産性向上もままならいという複雑な構造要因が絡み合っているという。
 坂本隆志委員(味の素物流取締役常務執行役員)もドライバー不足の要因として、低賃金と労働環境問題を指摘。この二つはかなり密接につながっているとし、労働環境については待機時間の長さを問題視した。

(続きは「日本流通産業新聞」2月23日号で)

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