アサンテ/営業に女性・シニア活用/分業体制で人材確保を

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 人材市場において訪販営業マンの募集が難しさを増す中、シロアリ防除施工などを手掛けるアサンテは、ユニークな人材募集の取り組みを行い成果を挙げている。同社は14年から、営業部門の採用枠を、女性や、60歳以上のシニア世代にも拡大した。今のところ、シニア営業マンは若手と同様の働きぶりをしてくれているといい、採用人数の底上げに貢献している。
 同社は70年の創業以来、東日本エリアでシロアリ防除の訪問販売を手掛けてきた。東証二部に上場した13年からは、温暖でシロアリ防除需要の高い西日本エリアへの進出にも着手。14年には和歌山県に、15年には奈良県に、それぞれ営業所を開設した。
 新規エリアの開拓にあたっては、進出地域の地元企業を吸収しスピーディーに展開を拡大する方法もあるが、同社はあえて新規に営業所を開設する方法にこだわっている。長期的に顧客と信頼関係を築き、目に見えないサービスを提供していく必要がある商材であるため、安易な急拡大はリスキーであると考えているのだ。新規営業所の展開には人材の確保が必要になる。人材確保のため同社では、採用枠の拡大や研修施設の改修を進めている。従業員数は16年3月期末で983人。
 14年からは営業部門で、60歳以上のシニア世代を嘱託社員として採用する取り組みを開始。同年には会社で10人弱の女性も試験的に採用した。16年3月時点で営業職の0.5%を女性が占める。床下に潜る点検業務があることから、営業職はこれまで、シニアや女性には不向きの職種だと思われていた。同社では発想を転換、床下に潜る点検は専門の調査員が行うようにし、シニアも女性も床下に潜ることなく仕事ができる環境を整えた。
 これまでは、アポイントから点検、クロージングまでを一人の営業員が行うのが通常だった。新システムの導入によって、従来型のスタイルで営業するスタッフから不満が生じないよう、一人で全てを行う営業員とは、インセンティブ等で差をつけることにした。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月9日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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