スニーカーブーム 通販にも好影響/限定品、PB拡充など奏功

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 靴販売各社がEC売り上げを伸ばしている。若い女性を中心としたスニーカーブームが影響しているようだ。ABCマートは、16年2月期の単体売り上げが前期比9・1%増の1741億円となり、このうちEC売り上げは約52億円となった。靴専門店「ASBee(アスビー)」を展開するジーフットも、EC売り上げが伸びており、サイトではプライベートブランド(PB=自主企画)商品の訴求を強化している。スニーカー人気を受け、各社は限定品やPB商品を強化しており、さらに売り上げ拡大を目指す考えだ。


【人気ブランド独占販売】
 ジーフットの16年2月期の総売り上げは前期比0・4%増の1039億3300万円で、スニーカーを含むスポーツ靴部門の売り上げは同7・5%増の304億7000万円だった。総売り上げに占めるEC売り上げは現在1・1%。そのうち、約45%がスポーツ靴分門の売り上げとなっている。「若い女性を中心にスニーカーの売り上げが伸びている」(デジタルシフト推進部長)と言う。
 06年に開設したECサイト「ASBeeオンラインショップ」は、10〜60代の幅広い顧客層を持っている。約1万1000商品の約半数がスニーカー。ナイキ、アディダス、ニューバランスなど人気ブランドを中心にPB商品も多数販売している。
 実店舗におけるPB商品の売上比率は37%だが、ECは30%未満。ECでは実店舗よりも通常商品を求める顧客が多いようだ。
 ECでは、人気ブランドの商品がアイテム数の約8割を占めている。今年から販売を強化している米ブランド「スケッチャーズ」も好調という。ニューバランスやアディダスに別注した限定品は特にECで人気となっている。「限定品は価格競争に巻き込まれないため、今後も強化していく」(同)と話す。ECサイトでは、人気ブランドのランディングページを設け、CVRの向上につなげている。
 15年10月から出店しているゾゾタウンでも限定モデルが人気となっている。
 今年は、PB商品のアイテム数拡大と販促を強化する。サイトでは、お薦め商品や人気商品として、PB商品を目立たせて紹介している。PB商品の提案で自社のサイトの認知度を高めたい狙いがある。
 14年には米国の靴ブランド「Keds(ケッズ)」のPB展開も開始し、国内で独占販売している。ケッズの商品は20〜30代の女性を中心に人気を集めているという。
 16年4月からは、今年100周年を迎えるケッズのキャンペーンを実施している。ケッズの商品を購入した顧客にノベルティーを配布するほか、スニーカーを履いた足元の写真をインスタグラムで投稿すると、抽選100人に日本未発売モデルをプレゼントしている。

(続きは「日本流通産業新聞」5月19日号で)

ASBeeのECサイトではPB商品の訴求を強化している。

ASBeeのECサイトではPB商品の訴求を強化している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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