消契法改正/改正案骨子明らかに/自民党 近く了承か

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消費者契約法(消契法)改正に向けた審議が進んでいる。自民党の消費者問題調査会(船田元会長)は2月9日、消契法の改正案について審議。改正法案の骨子が明らかになった。同調査会では、特定商取引法(特商法)改正についての審議も行われた。2月25日に開催される同調査会での了承を目指す。
 消契法の改正法案骨子には、(1)過量な内容の契約の取り消し(2)取り消しが認められる対象の範囲の拡大(3)取消権の行使期間の伸長(4)無効とする契約条項の追加109640などが盛りこまれた。
 過量な内容の契約取り消しは、契約内容が過量であることを知りながら消費者を勧誘して契約した場合、その契約を取り消すことができると規定。1人暮らしの高齢者に大量の布団を購入させた場合などが対象となる。過量とする基準は、契約の目的や取引条件、消費者の生活状況から判断する。
 事業者から虚偽の説明があった場合に、契約の取り消しが認められる対象も拡大する。新たな対象として「消費者の生命、身体、財産などの重要な利益について、損害または危険を回避する必要性に関する事項」が追加された。事業者が「床下が湿っており、このままでは家が危ない」と虚偽の説明を消費者にし、床下への換気扇の購入・設置の契約をした場合などが対象となる。
 取消権の行使期間は1年に延長される。消契法で契約を取り消すことができる期間は、だまされて契約させられたことに気付いてから6カ月とされている。
 商品に欠陥があったり、サービス提供が行われない場合に、事業者が消費者にあらかじめ契約解除権を放棄させる条項を無効とすることも追加する。
 また、不作為(消費者が何もしなかった場合)によって契約の申し込みをしたとみなす条項が、消費者の利益を一方的に害する条項(10条)として例示される。通販で掃除機を購入した際にサプリメントが同封されていた場合など、不要である旨を申し入れなければ契約したとする条項などが対象となる。
 取消権を行使した消費者の返還義務は、現存利益に限定される。
 自民党消費者問題調査会で法案骨子案の承認を得た後、消費者庁が法案を作成する。今通常国会へ提出し規制の強化を目指すとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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