国民生活センター/えごま油の相談急増/通販購入は約6割に

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 国民生活センターは1月28日、えごま油に関する相談が増加傾向にあると発表した。10年年度から15年11月末までに179件の相談が寄せられており、そのうち157件は、15年度になってからの相談だった。購入経路は通販が59%で最多となり、店舗が34%だった。
 近年、テレビや雑誌などで「アレルギー疾患を改善する」「がんの発生を抑制する」として、えごま油が取り上げられる機会が増えたことが背景にあるとみている。
 消費者センターには「色やにおいが普通のごま油のようだ」「原産国が表示されていないが、外国産だろうか」といった相談が寄せられている。国センが15年9~10月にかけて調査したところ、純粋なえごま油であるか疑わしい商品があった。
 テスト対象は楽天市場、アマゾン、ヤフーショッピングで「えごま油」と検索して上位に表示された商品と、東京都と神奈川県の実店舗で販売されている20銘柄を対象とした。
 テスト結果は、一般的な商品とは脂肪酸の組成が異なる物が1銘柄あった。また、色やにおいについては、製造方法の違いから、外観では区別できないという。
 ネット通販の広告を調査したところ、「血液がさらさら」「生活習慣病予防やアレルギー対策に」といった表示があった。えごま油の効果と関連性が明らかではないため、健康増進法、景品表示法違反と見なされる可能性もあると指摘する。
 これらを踏まえ、販売事業者に(1)一定以上の品質のものが販売されるように品質管理を徹底すること(2)ネット広告で、関連性が明らかでない記載を改善すること(3)栄養成分表示などの食品表示で、適切な表示を行うこと─の三つを要望している。また、消費者庁表示対策課にも要望を行った。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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