不招請勧誘規制は見送り/特商法見直しの検討会で

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特定商取引法(特商法)の見直しを行っている内閣府消費者委員会・特商法専門調査会は12月2日、訪問販売や電話勧誘販売の勧誘行為を事前に規制する「不招請勧誘規制」について、今回の法改正では見送るべきと結論付けた。法改正の根拠となる立法事実を見いだせなかったため。「不招請勧誘規制」は継続的な検討課題として調査会の報告書に盛り込む。
 調査会は現行法の課題や改正の必要性などについて今年3月から議論している。議論の結果は16年初旬をめどに報告書として取りまとめる見通し。報告書は法改正の根拠として使用される。
 訪販や電話勧誘販売への不招請勧誘規制の是非をめぐり、必要性を主張する消費者側の委員と反対する事業者側の委員が激しく対立してきた。
 不招請勧誘規制の必要性を検討するため、消費者被害の実態把握や国民生活センターが持つ消費者相談の分析などを行ってきたが、立法事実が明確でないため法改正は時期尚早と判断した。
 同日の第15回専門調査会の冒頭、後藤巻則座長は、今後の日程を踏まえ、勧誘規制強化の在り方について同日中に一致点を探ることを提案。委員らは議論の末、後藤座長の提案に賛同し、報告書に盛り込む合意事項の取りまとめを行った。
 合意した内容は、「再勧誘禁止規定など現行法の執行強化」「事業者による自主規制の強化」「国民生活センターの体制強化」「消費者への啓発と教育」「業界団体と行政による連携強化」など。報告書に記載する詳細な文言は今後詰める。
 特商法は09年の改正から5年後をめどに見直しを行うことが決まっている。早ければ16年度中に改正案が国会に提出される見通し。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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