〈特商法の見直し議論〉 10月中にも再開の見通し/改正案は来春具体化か

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特商法の見直しにおける主な論点

特商法の見直しにおける主な論点

特定商取引法(特商法)の見直しを検討している内閣府消費者委員会・特商法専門調査会の議論が10月中にも再開する見通しだ。飛び込みの訪問販売を規制する不招請勧誘規制や、通販広告への規制強化などについて議論を深め、16年の春ごろまでに意見書をまとめる。特商法を所管する消費者庁と経済産業省は調査会の意見書を踏まえ、法改正の必要があれば改正案の作成に着手する。改正特商法は早ければ16年春の通常国会に提出される可能性がある。

委員は原則留任へ

 特商法専門調査会は今年3月に発足した。消費者委員会の下部組織として、消費者被害の実態解明や特商法に関する課題の抽出を進めながら、特商法改正の必要性について検討してきた。
 委員の任期が満了となった8月末までに計11回開催。不意打ち的な訪問販売や電話営業に対する規制の是非や、通販の虚偽・誇大広告を見て注文した消費者に取消権を与える案、原則全ての権利の売買を規制対象とする「指定権利性の撤廃」など、さまざまなテーマを俎上(そじょう)に載せた。
 議論されているテーマはいずれも、訪販や通販事業者を規制する内容だ。調査会の議論の行方次第では、改正特商法は訪販や通販の業績に深刻な悪影響を与える悪法になりかねない。そのため、多くの事業者が調査会の動向を注視してきた。
 調査会の再開時期や人選について、消費者委員会事務局は、「具体的なことは未定」との原則論を崩していない。ただ、水面下では委員の選定が進んでおり、すでに複数の候補者が打診を受けている。
 「議論の継続性を保つ」(消費者委員会事務局)という原則から、8月まで調査会の委員を務めていたメンバーの多くが留任する見通しだ。
 日本通信販売協会(JADMA、事務局東京都)の佐々木迅会長や、日本訪問販売協会(訪販協、事務局東京都)の鈴木弘樹会長、消費者側の立場から規制強化を主張している池本誠司弁護士など、既存の委員の多くが、すでに留任の打診を受けているとみられる。
 調査会の再開時期は流動的だが、今後のスケジュールや消費者委員会関係者らの話によると、10月中にも再開される可能性が高い。
 調査会は8月27日にまとめた中間整理や、それに対するパブリックコメントの結果を踏まえ、議論を深めて16年春ごろまでに一定の結論を取りまとめる見通し。

(続きは「日本流通産業新聞」10月1日号で)

特商法の見直しをめぐる今後の見通し

特商法の見直しをめぐる今後の見通し

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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