【ネットショップ「売れる」デザイン・演出テクニック】連載54 気候と購買意欲の相関性

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■消費者ニーズの先読み力

 いよいよ新しい年が始まりました。年末の大型セールでの散財も手伝って、この時期は消費者の財布のひもも堅くなりがちです。
 1月前半は帰省などの影響で多少賑わいを見せますが、2月に至っては季節商品がある店舗を除いては、気候と同じく急激に売り上げが底冷えすることが予想されます。
 そこで、寒い時期を乗り切る、とっておきのテクニックを伝授します。
 私たちは寒いとき、どんなものを求めるでしょうか? 一例として、ダウンジャケットなどの上着や温かい飲み物、暖房器具など寒さを緩和できるものが挙げられますが、そもそも人間の購買意欲は気温や天候などの気象条件に影響されます。
 こうした要素による購買を見越し、商品構成に生かすことで売り上げに直結させる活動を「ウェザー・マーチャンダイジング」と呼びます。
 特に気温と食べ物の関係は密接で、商品が売れ始める目安の気温が存在しています。例えば、気温が15度を下回ると鍋物、23度を上回るとアイスクリーム、さらに30度を上回るとかき氷といった具合です。
 人間の体は気温によって基礎代謝量が変化するため、気温が低いときは栄養を蓄えようと「味の濃いものや高カロリーのもの」を求め、気温が高くなると食欲が減退傾向となり「香辛料を使ったもの」や「あっさりしたもの」を求めるのです。
 寒い時期で考えた場合、顕著な例がスープの味です。スーパーの鍋物売り場やコンビニのカップ麺コーナーなどを見てみると、秋口はしょうゆや、だしがベースの透明度の高いスープのものが大半ですが、気温が下がるにつれ、みそやキムチを使った味の濃いものが多く出回るようになります。
 また気温が30度を上回る暑い時期は売れ行きが芳しくなかったバニラやチョコレートなどの濃厚な味のアイスクリームも、15度を下回るこの時期は盛夏ほどではないですが比較的よく売れます。

(続きは、「日本ネット経済新聞」1月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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