【EC向けサービス導入事例】第41回〈クーポン配信システム「ゼンクラーク」〉/導入サイト「ナチュラン」/購入検討者のCVRが1.6倍に

【導入事例】

女性向けアパレルのECサイト「ナチュラン」を運営する宝島ワンダーネット(本社東京都、劔重徹社長)は、11年4月からネット通販を展開している。流行に左右されないデザインの衣類を販売し、30~50代の女性が主要顧客だ。月間の購入者数は1万人近い規模になっている。
 ECサイト開設当初は、セールやクーポンを独自に発行するなど新規顧客獲得に向けた施策を行っていたが、「新規顧客への優遇が露骨で、売り上げ構成率の高いリピーターが損な気分になっていた」(吉田裕紀チーム長)という。
 そこで、DoBoken(ドゥーボウケン、本社東京都、音田康一郎・桑山礎共同社長)が提供する、購入を検討する顧客に限定したクーポン配信システム「ZenClerk(ゼンクラーク)」を、14年6月に導入した。
 「ゼンクラーク」は見込み客にクーポンを自動で配信していく。マウスの動きや商品ページの滞在時間などサイト上の動きを解析し、購入を検討している消費者だけにクーポンを提供する。商品ページから移動するなどのタイミングで発行し、購入を後押しする。
 本格的に導入するにあたり、14年3月から5月まで、システムの試験運用を行った。見込み客をクーポン配信と非配信の2つのグループに分けて計測したところ、非配信グループのコンバージョンが3・0%、配信グループは4・8%となった。配信グループのCVRは1・6倍に上昇したという。月間売り上げは約900万円の増収で、導入前の月商から1割近く押し上げる効果を実証した。
 一般的なセールなどと違い「リピーターに気付かれることなく新規顧客へ販促できる特徴が魅力」(同)と感じている。
 同社の平均購入単価は約1万2000円。セールでは、イベント期間だけ新規顧客が対象商品を購入するため、顧客単価は5000円前後に低下していた。これに対し、クーポン利用者はセール品を目当てにしていないため、顧客単価は約1万1000円に維持されている。利用者にはリピート購入する人も多いという。
 「ゼンクラークは、消費者の心をキャッチするのに優れているシステムだと思う。『安いから買いたい』ではなく、『このショップで買いたい』と思っている消費者に、タイミング良く配信できる。今後も活用したい」(同)と話している。


〈システム概要〉 
 カーソルの動きやサイトの滞在時間など、消費者のサイト内の行動を分析し、クーポンを発行する販促支援システム。分析から消費者を複数のセグメント(図表)に分けて、購入を迷っている消費者へ的確にクーポンを発行する。新規顧客やリピーターなど、クーポン配信相手をサイトごとに変更することもできる。利用料金は、クーポンを発行した際の売り上げの10%だけで、初期費用や月額費用は掛からない。導入はサイトにタグを埋め込むことで完了し、EC事業者が運用する手間は発生しない。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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