【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第89回 〈ふぐ珍味、水産加工品専門ECサイト「和田珍味」〉/味だけでなく視覚でも楽しめる商品を提供

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新鮮なふぐを秘伝のタレにつけ込んで手作りした「ふぐ味醂干」

新鮮なふぐを秘伝のタレにつけ込んで手作りした「ふぐ味醂干」

かつて石見銀山で栄えた町であり、日本神話の五十猛命(イタケルノミコト)が地名の由来とされる島根県大田市五十猛(いそたけ)町。この地でふぐの加工品を中心に製造販売している「和田珍味」。〝うまいもん〟を追求した独自の商品は地元の名産品となり、ネットを通じて全国に「五十猛のふぐ商品」を広めている。広報の渡邊信氏に聞いた。

◆こだわり

 美しい日本海を一望できる場所に実店舗(本店)と工場を構える「和田珍味」。五十猛の海では昭和20~30年代にふぐの延縄漁が盛んだったことから、ふぐ珍味の研究から製造を始めたという。
 「当社に受け継がれている『品質の良い商品づくり』の第一のポイントは、良い素材選び。現在、五十猛ではほとんどふぐ漁がありませんが、国産天然物にこだわっています。どの産地でどの時期に、どのような漁法でとれたものかを見極め、現物を確かめながら仕入れます。そして、〝うまいもんづくり〟を基本に、ふぐの旨味を引き出した商品開発を行っています。独自開発した燻製機でつくる『ふぐのくんせい』や、素材の味を生かした完全無添加の『ふぐの骨せんべい』は、特にオリジナル性のある商品ですね」


◆販売戦略・売れ行き

 ネットショップで季節ごとに行っているキャンペーンや、実店舗への来店客にネットショップの案内をすることで、リピーターが増えていると話す渡邊さん。
 「年4回の『うまいもん』フェアでは、季節の商品や、『ふぐ味醂干』『ふぐ一夜干』などの人気商品を特別価格の限定商品として販売し、好評です。また、実店舗に来店された方に案内をお渡ししながら顧客リストを獲得することで、実店舗、ネットショップともに売り上げが伸びています。ピーク月は11~12月で、ギフトの注文が集中します」
 また最近では、メディアの報道をきっかけに注文が殺到した商品もあるという。
 「昨年、出雲大社権宮司の千家国麿さまと高円宮典子さまのご成婚の際、『うず煮』を取り上げていただいた時の反響は大きかったです。さらに、テニスの錦織圭選手の発言で『のどぐろ一夜干』にも爆発的な反響があり、メディアでも紹介され、現在も売れ続けています」


◆サイト作り

 サイトでは、商品の詳細はもちろん、地元・五十猛の魅力、そこから生まれた商品(歴史)などが詳しく紹介されている。
 「『おいしかった』『贈り物にしたら喜ばれた』などのうれしい声のほか、サイトで紹介している本店の様子をご覧いただき、『ぜひ行ってみたい』という声も多数いただいています。本店から見える日本海の眺めは絶景で、その中に神島という伝説の島があります。自然と神話がある五十猛町と、この地で作ったこだわりの商品を、全国に発信し続けていきたいです」


〈運営会社概要〉
【運営】株式会社 和田珍味
【開設時期】2008年4月
【スタッフ数】4人
【ショップ形態】自社ショップ
【導入システム】ショップサーブ
【配送委託先】ヤマト運輸、日本郵便
  ※ネットショップ向けの卸については応相談

ふぐのあらのスープと焼いたふぐの身が絶品の「ふぐぞうすいスープ」

渡邊信氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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