【ネットが拓くリテンションの時代】連載7 「ブランド」関連が回帰

■競合との優位性
 「ブランディング、ブランドロイヤルティー、ブランド価値……」。近頃、20世紀末にはやった言葉が復活している。通販の一般化、ECの拡大で短期利益の獲得が命題となっていくにつれ、ブランド価値を上げるよりも購買の動機付けによって売り上げを達成することが重要となった。
 その結果、コンバージョンの方がブランド価値よりも重要視され、マーケティングフィールドからブランド関連の言葉が消えていったが、2015年ごろより再びブランド関連の言葉をよく耳にするようになった。
 動機付けによる瞬間の購入が重要なことは言うまでもないが、技術の高度化と生産の効率化によって、同じ機能の商品がちまたにあふれるようになった。
 社会の高齢化に合わせ、通販コスメは「シミ・シワ・タルミ対応」のエイジングケアコスメばかりになり、通販サプリでは「老眼・頻尿・筋肉・関節・脳の老化抑制」のエイジングケアサプリが市場を席けんしている。
 同じ機能の商品が横並びになった結果、動機付けをより強力にするために薬機法(旧薬事法)や景表法に抵触する表現が多くみられるようになり、消費者から表現と商品が信用されなくなった。
 そんな中で再び注目を集めたのがブランドである。商品機能に差が付けられなければ、製造しているメーカーが差別化と優位化を図ればいい。
 メーカーに「歴史がある・優れた商品を販売している・特許を持っており研究開発力が抜群・技術力は世界レベルとの定評がある」などで、競合企業との優位性を図ることに注力し始めたのが15年ごろである。
 いわゆる、研究開発広告・事例報告広告といわれるものが徐々に増加し、ブランド周辺に関心が集まり出した。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月7日号で)


*プロフィール
伊藤 博永(いとう・ひろなが)
 1993年3月、旭通信社(現ADK)入社。2001年4月、価値総研取締役、09年4月、ADKダイアログ代表取締役社長、12年1月、アディック取締役(現任)、15年9月、日本リテンション・マーケティング協会理事(現任)。
 筆者に関する問い合わせは、一般社団法人日本リテンション・マーケティング協会事務局((電)03―6721―5927)担当・鈴木まで。 http://j-rma.jp/

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