《新連載》【変わる米国小売~NRF視察レポート~】第1回 実店舗へのデジタルの影響が本格化

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小売業を大賞としたNRF

小売業を大賞としたNRF

 当社では、小売業とECの最先端事例を確認するために毎年最低3回は、米国視察を行っております。今年は1月15~17日、ニューヨークにて開催された全米小売業協会(NRF)主催のイベント「NRF Retail,s BIG SHOW2017」に参加し、そこで収集した「小売業のこれから」と「デジタルシフト事例」についてレポートします。
 NRFのイベントは、当社が公式パートナーとなっている「IRCE(Internet Retailer Conference & Exhibition)」と同じくセミナーと企業展示の複合イベントです。
 EC専門のIRCEに対してNRFは小売業全般を対象としているため、より多くの参加者が世界中から集まります。

■実店舗の購入率が上昇

 NRFのセミナーに登壇した米国コンサルティング会社、デロイトトーマツの講演によると、米国ではこの5年間で実店舗への来店者数は毎年10%も減少しているものの、小売業全体の売り上げは横ばいで推移し、EC市場は成長を続けています。
 ジーンズメーカー、リーバイスの講演では、実店舗への来店者数はやはり減少しているが、来店客による購入率は上がっていると話していました。この流れはデジタルが大きく影響しており、購入率が上がっているのは来店客が事前に情報収集を行ってくるためだと考えられます。
 NRFでは今後デジタル技術がさらに進化すれば、探している商品が店舗のどこにあるのかを顧客が自分で見つけるようになるという話を聞きました。店員は商品への案内にかける時間を接客の時間に充てることができるようになるため、デジタル化が進むことは顧客と店員の双方にとって良いことだと考えられます。
 ただ、実店舗で購入した人へのアンケート結果では、47%は「買い物に満足している」と答え、そのうち「楽しく買い物した」と回答した人は41%にとどまったそうです。今後の小売業を考える上で、この事実をどのように捉えるべきなのでしょうか。


(続きは、「日本ネット経済新聞」2月9日号で)


*いつも. コンサルティング事業部 部長 高木修氏
 いつも.のEC支援部隊を統括する事業部長。部門を統括する傍ら大手企業のEC事業拡大のコンサルティングを中心に、EC多店舗で年商30億円突破の成功プログラムを多数開発。米国在住経験もあり、海外ECモデルの変遷にも精通し、最低年2回は米国視察を行い、米国の小売りおよびEコマースの最新動向も収集・整理して日本での活用を提案している。

「NRF」と「IRCE」の違い

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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