【インタビュー】〈オフィス家具BtoBで成長〉オフィスコム 高橋和也代表取締役社長/売上100億円を目指す

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高橋和也代表取締役社長

高橋和也代表取締役社長

オフィス家具を販売するオフィスコム(本社東京都、高橋和也社長)が高い成長率を見せている。14年12月期のEC売上高は前期比30・3%増の20億700万円だった。多くの工場と契約を結びオリジナル商品を開発するビジネスモデルで、商品の低価格化に成功している。高橋社長に業績要因や今後の計画を聞いた。

シンプルにこだわる

 ─前期の売上高と、今期の取り組みを教えてください。
 14年12月期のECサイトの売り上げは前期比30・3%増の20億700万円でした。今期の総売り上げは約35%増の約27億円を見込んでいます。当社は楽天市場とヤフーショッピングに出店していますが、自社サイトの強化に最優先で取り組んでいます。自社サイトへの誘導を改善したほか、商品開発を強化しました。これにより会員数が増加したことが成長の要因と考えられます。
 自社サイトはユーザビリティーの向上を目指して、顧客の生の声を取り入れたサイト設計にしています。具体的には言えませんが、顧客がECサイトを快適に使えるようにしています。これにより注文件数や顧客単価、サイト内の滞在時間、クリック率などで効果がはっきりと出ています。自社サイトの売り上げは、前年と比較すると2倍近くに成長しています。
 商品開発は現在3人で行っており、今年も50品目以上の新商品を投入する計画です。商品ジャンルは、机や間仕切り、書庫が中心です。
 ─サイト作りで心掛けていることは。
 オフィス家具の注文は紙文化が根強く、カタログを見て購入する企業が依然として多いです。ECサイトでは、カタログで表現できないところを訴求しています。例えば、商品ページにGIFアニメを掲載して、椅子がどれだけ後ろに倒れるかを表示しています。家具の組み立てなども動画で公開しています。
 AR(拡張現実)など新技術を取り入れたECサイトも他社ではありますが、シンプルで分かりやすいことが重要だと考えています。まずはカタログからEC化という流れを確立させたいと考えています。
 ─会員数はどれほどいますか。
 現在の会員数は約2万2000社です。17年までに10万社を目指しています。特典を手厚くすることで会員を増やしています。具体的には、買い物履歴の表示や後払い決済の対応、ポイントなど。DMやメルマガでも、会員登録の告知を強めていこうと考えてます。
 メルマガは月2回のペースで発行していますが、残りポイントの表示や新商品の案内といった内容で、メルマガ配信の頻度を徐々に増やしていきます。
 ─ECサイトのモバイル対応については。
 現在、モバイル対応はしていません。モバイル経由の閲覧も増えていますが、BtoCの日用品の注文とは異なり、BtoBは注文に際してカスタマーセンターへの問い合わせが多くあります。最終的な注文はパソコンの比率が9割以上を占めています。
 こういったオフィス用品ならではの特性があるため、モバイル対応よりもパソコン用サイトの充実を優先的に進めています。
 また、ECサイト作りにおいてもSEOを基準とせず、ECサイト内の利便性を優先しています。この結果、モバイルという選択は優先順位が低くなっています。
 グーグルがモバイルフレンドリーを進めてから順位の変動を注視していますが、著しく下落するような影響は今のところありません。

(続きは「日本ネット経済新聞」6月11日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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