【クオカ公式オンラインショップ「クオカプランニング」 岩間建作 社長】SNSでのレシピ動画が奏功

岩間建作社長

 お菓子作りの材料や資材を販売するクオカプランニング(本社徳島県、岩間建作社長)は16年9月、インスタグラムなどのSNS上で、ケーキやチョコレートなどのお菓子作りの動画を公開する取り組みを開始した。お菓子を作ったことがない層にも認知が拡大しており、インスタグラムのフォロワーも16年11月以降は、従来の10倍にあたる月間2000人のペースで増加するようになっているという。顧客層の拡大は、EC売り上げの拡大にも貢献している。「『コト』を売らなければ、『モノ』が売れない時代だ」という岩間建作社長に、動画を活用した事業の取り組みや、今後の事業戦略などについて話を聞いた。

■顧客層をセミプロから一般へ

 ーーー動画活用を積極的に行うようにしたきっかけを教えてください。

 15年に社内の体制を見直し、企業としてのブランディングをさらに強化する方針を打ち出したのが、大きなきっかけになりました。
 当社は、料理研究家などのセミプロや、手作りにこだわりを持つハイアマチュアに対して、パティシエやパン職人などのプロが使う材料を、小ロットから販売するという事業を展開してきました。2000年の創業当時は、菓子製材をECで販売する競合他社も少なかったのですが、徐々に市場への参入が多くなり、価格競争や客離れが進んでいました。
 これまでターゲットとしてきたセミプロだけでなく、自ら菓子作りをしたいと思う顧客層を増やさなければ、売り上げを伸ばすことはできないと考えました。菓子を作るという「コト」を売らなければ、菓子材料という「モノ」が売れないという構造の市場なのです。
 今までやったことがない人にも、自ら菓子の手作りをやってみたいと思わせるための取り組みとして、動画の活用をスタートしたのです。16年は、30秒~1分の料理のレシピ動画が、多くのソーシャルサイトを席巻していました。それがちょうど、社内の体制を強化するタイミングと重なっていました。
 当社はまず16年9月に、当社が販売する道具と、家庭に普通にある材料を使って、チーズケーキを作る動画を配信しました。制作した動画は、レシピの動画サイト「デリッシュキッチン」で、公開することにしました。菓子作りは年末からバレンタインデーまでがハイシーズンです。この時期に照準を合わせ、1カ月に1本のペースで動画を公開していきました。計6本の動画の総再生回数は現在までに、260万回を超えています。

■CVRよりも定着が重要

 ーーー動画は実際にCVR向上につながっていますか。

 SNS・ECサイト・実店舗でレシピ動画を公開することにより、ある一定のコンバージョンは発生しています。作った動画に関しては、レシピ動画サイトの他にSNSの自社アカウントと、ECサイトに掲載しており、拡散を促しています。実店舗のディスプレーでも表示しています。実店舗にふらっと立ち寄って下さった顧客が、動画を見て興味を持ち購入に至るケースもあります。子連れで来店した場合は、そういうケースが特に多いです。ただ、重要なのはすぐに購買行動につなげることではなく、興味を持ってもらうことだと考えています。興味を持ってもらい、一度セットを購入してくれた顧客には、引き続きSNSやECサイトを利用してもらうことが大切ですし、実際にお菓子作りに慣れ親しみ、「プロに近づけてうれしい」と感じてもらうことが重要です。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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